失業保険がもらえる条件と手続きの方法まとめました

2018-09-15

失業保険を正しく理解して最大限に生かそう

雇用保険受給資格者証と、再就職手当のしおり

失業給付金は、だれでももらえるものではありません。雇用保険をある一定以上払い続けている必要があります。また、正社員しかもらえないわけでもありません。アルバイト、パート、派遣社員でも条件さえ満たしていればもらえます。

金額や何日分もらえるかなどは、働いていた時にもらっていたお給料の額や年齢、勤続年数(正確には雇用保険を継続して納めていた期間)で変わります。

そういった事を理解して、上手に失業給付金を生かして次の就職先探しにに生かしましょう。

ハローワークや厚生労働省のサイトは非常にわかりづらく、読んだだけではわからない部分が多々あるので、それをまとめて再編集してお伝えします。

なお、船員の方は特殊で、担当がハローワークではなく地方運輸局になります。ここでは船員の方以外の一般の部分のみの解説とさせて頂きます。

 

受給資格

男性2人と女性一人が職場で立って話し合っている

失業保険をうけるためには、まず条件を満たしている必要があります。これが満たされてなければどうやっても給付を受けられません。だれでも失業したら即もらえるものではないのですね。

失業給付金をもらうために必要な条件をまずしっておきましょう。

条件は大きくわけて3つ。

  • 雇用保険の被保険者期間(加入期間)
  • すぐ働ける状態にあること
  • 積極的に求職する意思(求職活動実績)

これだけです。この中で実質的に条件となるのは、1番目の被保険者だけです。ここが非常に大事なポイントなので、会社を辞める前にしっかり確認しましょう。もう1、2ヵ月間足りないなどの場合は、何とか歯を食いしばってでも耐えて、確実に満たした事を確認してからやめましょう。

2番目は意志と健康。3番目は、実際辞めてからの求職活動なので、やれば済む話ですし、普通にやれば誰でも満たすことが出来るのでご安心を。

では、1つ1つ見ていきます。

 

雇用保険の加入期間

まずこれが重要な第一条件になります。

離職日の以前2年間の間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あること。

何と言ってもまずこれです。これを満たしていなかったら失業給付金はもらえないんです。

特定受給資格者、特定理由離職者は離職の過去1年間に6か月でOKです。

被保険者期間というのは、

「雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1ヵ月ごとに区切った期間に、賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1ヵ月と計算します。」

とあります。わかりにくいですよね。これはつまりこういうことです。

離職日から過去にさかのぼって、1か月ごとで考えます。

出勤して働いた日が11日以上あれば良いという事です。

賃金支払いの基礎となった日数とは、月給制の場合は、欠勤控除がなかった月はカレンダーの日数そのままです。なので30、または31日間となります。

 

働ける状態にあること

失業給付金は雇用保険さえ十分収めていればもらえる物ではありません。就職する意思とすぐ仕事に就くことが出来る状態にある事が必要とされます。

その状態にあることを何かで証明するなどの手続きがある訳ではなく、以下の方が受けられないとなっています。

  • 病気やケガのため、すぐには就職できない時
  • 妊娠・出産・育児のために、すぐには就職できない時
  • 定年などで退職して、しばらく休養するつもりの時
  • 結婚などにより家事に専念する時

これらの状態にある方は、すぐに就職して働こうという状態ではありませんね。なので失業給付金の対象外となります。

失業保険はあくまで今現在仕事を求めていて積極的に求職活動を行いたい方のためのものとなっているんですね。

 

求職活動実績

上記の働ける状態にある事とともに、求職活動実績という物が必要になります。

「積極的に仕事探しをしている」事を具体的に証明する物として、こういう決まりになっているんですね。

ハローワークでは4週間に1回、認定日という物があります。

この認定日ごとに2回以上の求職活動をしている事が条件になります。2回以上というのは、2回でOKという事です。毎回の認定日で2回ずつこなしていればOKです。

 

ただし、最初だけは回数が違います。仕事を辞めると、辞めた会社から離職票という物をもらいます。その退職理由が、「会社都合」なのか「自己都合」なのかで大きく変わってきます。

変わってくるのは、求職届をしてから、失業給付金の給付が始まるまでの待期期間です。

会社都合の場合は待機7日間という7日間だけですが、自己都合の場合は待機7日間にくわえて3ヵ月の待期期間がプラスされます。

 

会社都合の時

初回認定日まで1回(ガイダンスに出るだけでOK)
2回目以降の認定日ごとに2回

待機7日間が終わるとガイダンスがあります。このガイダンスも求職活動に入るので、会社都合の方の場合はこれだけで初回認定日の条件は満たしています。認定日までの期間が短いので当然と言えば当然です。

2回目以降の認定日に必要な求職活動実績の回数は各認定日ごとに2回ずつです。

 

自己都合の時

初回認定日まで3回(ガイダンスも1回とカウント)
2回目以降の認定日まで2回

自己都合の場合は、1回目の認定日までに3ヵ月という長い待機期間があります。この間に3回の求職活動実績が必要となります。

2回目以降の認定日では、必要な求職活動実績は、各認定日ごとに2回ずつです。

会社都合も自己都合も、2回目以降の認定日ごとに必要な求職活動実績の回数は同じ2回ということですね。

求職活動実績の回数が違うのは、最初の認定日までだけという事になります。

 

注意点

失業保険について気を付けて欲しいことや勘違いする可能性がある部分を解説しておきます。

認定日当日の求職活動は次の認定日の分

次の認定日までに求職活動実績が1回足りない時、「認定日に行った時についでに職業相談して1回となるからいっか」というのはNGなんです。

認定日の前の日までに行った分が、その認定日で必要な求職活動回数してカウントされるという決まりです。

 

1年を超える空白はリセットされる

この条件には注意点が1つあります。

それは、1年を超える空白期間があると、その空白以前の期間は期間合算に含められない、という事です。言い換えると、1年を超える空白があったら、雇用保険の被保険者であった期間が一からカウントし直しという事です。

例を挙げるます。

A社で6か月間被保険者でしたが、退職しました。

その後1年と1週間ほど無職でいた後、新しいB社で勤めて被保険者期間も6か月でした。

そうすると、2年間の間に合計12か月間の被保険者期間があるにもかかわらず、A社での被保険者期間はカウントされず、6か月分しかない事になってしまいます。

なので、せっかく被保険者として働いた期間があるのなら、最大でも1年以内に再就職しないと失業保険の面で言えばもったいないという事です。

被保険者期間に1年間の空白がある時

 

失業給付金、再就職手当を受給していない

失業給付金、再就職手当などを受給したことがあれば、その受給後の期間のみが被保険者期間としてカウントされます。

言い換えれば、失業給付金や再就職手当をもらったら、それまでの被保険者期間はゼロにリセットされるという事です。

見出しを短くするために上記の様に書きましたが、過去に1回でも受給したことがあればもう貰えないということではないですよ。

受給した後に「直近の2年間で12か月以上の被保険者期間」という条件を満たせば受給出来ます。

 

まとめ

履歴書に書こうとしているボールペンのアップの図

失業給付金をもらうためにはまず、12か月間の雇用保険の被保険者期間が必要でした。

そして、求職活動実績を所定の回数以上行わなければなりません。

初回認定日は、

  • 会社都合:1回
  • 自己都合:3回

2回目以降は、会社都合、自己都合ともに2回ずつでした。

「会社を辞めたいな」と思った時はまず、過去2年間で被保険者期間が12か月以上確実にあるのかを確認してから辞めた方が良いですね。

失業保険のことを正しく理解し、適正に確実に失業保険を受給しましょう。時の経過とともに制度は少しずつ変更されるので、正確なところはハローワークに確認しましょう。

参考:ハローワークインターネットサービス