厚生年金で損しない!加入と受給の仕組みまとめ

厚生年金を最大限に活用するために

大きな公園施設の草むらで手を繋いでジャンプする3世帯家族の後ろ姿

年金の代表的なものとして、国民年金と厚生年金があります。細かくいうとそれに付随するものなどありますが、大事な柱はこの2つです。

多くの人が、この2つがどういう仕組みになっているか、違いは何かなどをよく知らないままでいると思います。おそらく、社会保障制度の中で年金制度が一番複雑でわかりづらいんじゃないかと思います(汗)。

細かい計算などまで知る必要はなく、それは年金事務所の人の仕事です。私たちは基本的なことや概要をつかんでおきさえすれば良いでしょう。そうすれば、国民年金や厚生年金が自分にとって必要なのか、どう重要なのかの判断はできるようになります。

ということで、今回は年金の中の厚生年金についてのお話です。

 

厚生年金とは

まずは、ごく簡単にですが厚生年金が何なのかをお話しておきます。

年金は国民年金と厚生年金が2つの大きな柱だとご説明しましたが、基本となるのは国民年金です。

国民年金は、誰もが加入することが義務付けられています。一方、厚生年金の方は必ずしも誰もが義務付けられているものではありません。とはいえ、通常は自分で選べるというものではなく、厚生年金に加入している職場に勤め、条件を満たしていれば加入することになります。

厚生年金に加入している会社で働く人や、公務員などが加入するもので、国民年金に上乗せするものという感じです。なのでよく、「年金制度は2階建て」などと説明されます。

国民年金だけでなく、厚生年金にも入っていた方が、将来貰える年金(老齢年金)の額は多くなります。なので、将来のことを考えたら厚生年金にも入っていた方が良いわけです。

年金は国民年金と厚生年金の2階建て。国民年金は必ず加入しなければならない物で、厚生年金は全員ではありません。厚生年金にも入っていた方が、将来貰える年金が多くなるということは理解しておきましょう。

 

厚生年金の加入資格

テーブルの上に書類と年金手帳と電卓が置かれている

厚生年金に加入している会社や官公庁などの適用事業所(後述)で、常時使用される70歳未満の人が、国籍や性別、年金を受給中かどうかに関わらず、厚生年金保険の被保険者となります。

常時使用されるとは、適用事業所で働いて労働の対価として給料・賃金をもらっているという使用関係が日常的に行われていることを言います。雇用契約書の有無は関係ありません。

被保険者とは、保険を納める人のことです。

 

適用事業所とは、以下のような事業所のことを言います。

  • 法人の事業所。株式会社など
  • 従業員が常時5人以上いる個人の事業所

農林漁業や、サービス業の一部など適用事業所にあてはまらない物もあります。

 

保険料の額

毎月の給与の標準報酬月額と、賞与の標準賞与額に共通の保険料率をかけて計算されます。

 

標準報酬月額というのは、今回の厚生年金や、雇用保険の失業給付金の基本手当の額など、その他色々な公的な金額計算をする場合に使われる、決められた計算の単位のようなものです。

その人の給与の額をそのまま計算に使うのではなく、「〇〇円~□□円の人は■■円と一くくりの同じ金額として扱う」というものです。例えば、170001円~189999円の人は、180000円として扱う、という意味です。この場合、180000円が標準報酬月額になります(実際とは異なる単なるたとえの金額です)。

 

 

保険料の納め方

加入者(被雇用者)と事業所が1/2ずつ負担します。

事業者が毎月の給与や賞与から天引きして納めます。翌月末日までに納めなければなりません。

 

産前産後休業・育児休業中の保険料免除

厚生年金の加入者が、産前産後休業や育児休業中は、厚生年金保険料は免除されます。

事業主が年金事務所に申し出ることが必要です。

加入者本人分と、事業主が支払う分の両方が免除されます。本人にとっても事業者にとっても嬉しい制度ですね。

免除された期間は、ちゃんと納付した期間として扱われます。将来年金額を計算する際に、免除された期間も満額納めた期間として扱われるんです。免除最高です♪

 

年金を受給する

窓辺で肩を抱いて外を眺める白人の老夫婦

受給できる年金についてご説明します。

年金には、厚生年金と国民年金があり、それぞれに老齢年金、障害年金、遺族年金があります。

  • 国民年金:老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金
  • 厚生年金:老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金

国民年金から発生するものには真ん中に「基礎」という言葉が、厚生年金から発生するものには「厚生」という言葉が入ります。

今回は厚生年金の方にフォーカスしてお話していきます。

 

老齢年金

65歳になると老齢厚生年金を受給できます。

金額は、過去の報酬と加入期間で変わります。

国民年金の話ですが、老齢基礎年金については、平成30年の4月時点では、国民年金を満額(40年間で480ヵ月)納めた場合は、老齢基礎年金の年額は779300円です。

そこに老齢厚生年金が追加されます。

 

障害厚生年金

病気やケガで障害が残った場合、障害厚生年金が出ます。

 

納付要件

初診日がある月の前々月あでの年金加入期間の2/3以上の保険料が納付または免除されていること。

初診日が65歳未満であり、初診日がある月の前々月までの1年間に、保険料の未納がない事。

 

金額について

金額は過去の報酬と加入期間で変わります。

障害の度合いによっても支給額が変わります。

一番重いのが1級で、2級、3級となるに従い額が減ります。3級よりも障害が軽いと、障害年金ではなく障害手当金という一時金が支給されます。

1級・2級は、障害を負った人に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合は年金額がプラスされます。ただし、配偶者が老齢厚生年金・障害年金を受けられる期間は配偶者加算はありません。

 

計算式

  • 1級:報酬比例の年金額 × 1.25 + 配偶者の加給年金額(224300円)
  • 2級:報酬比例の年金額 + 配偶者の加給年金額(224300円)
  • 3級:報酬比例の年金額(最低保障額584500円)

障害の度合いが重いほど、障害厚生年金の額が高くなるのがわかります。

報酬比例の年金額については非常にややこしいのでここでは記載しません。下の2つの合計になります。ご興味のある方は日本年金機構のサイトでご確認ください。

 

遺族年金

一家の大黒柱が不幸にして亡くなってしまった場合、亡くなった人に生計を維持されていた以下のいずれかにあてはまる人に、遺族厚生年金が支給されます。

受け取る人の要件

  • 子・孫(18歳到達年度末を経過していない、または20歳未満で障害等級1級・2級の障害がある)
  • 55歳以上の夫(支給開始は60歳から。遺族基礎年金を受給中の場合は除く)
  • 父母、祖父母(支給開始は60歳から)

30歳未満の子がいない妻は、受給できるのは5年間だけになります。

子がいる配偶者や、または子は、遺族基礎年金も受給できます。

子がいない妻は、遺族基礎年金は受給できないけど、遺族厚生年金は受給できるというのが大きな違いですね。そして30歳以上であれば、5年間の期限もなしです。

 

亡くなった人の要件

亡くなった方にも要件があり、以下のいずれかにあてはまらなくてはなりません。

  1. 国民年金加入期間の2/3以上の納付期間がある(免除期間もOK)
  2. 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上あった
  3. 1級・2級の障害厚生年金を受けられる状態にあった

ただし、1番目については、亡くなったのが平成38/4/1より前で、その時に65歳未満であれば、その日が含まれる月の前々月までの1年間の加入期間の中で、滞納がなければOKとなっています。

 

金額について

報酬比例部分の年金額がまずあり、そこに中高齢の加算というものにあてはまると追加金があります。

報酬比例部分の年金額について詳しくは、日本年金機構のサイトをご覧ください。

 

中高齢の加算とは、妻が以下のどれかに該当すると、40~65歳の間、年額584500円が追加されるというものです。

  • 夫が亡くなった時に40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない
  • 遺族基礎年金を受給していたが、子が成長して該当年齢を過ぎた

この場合の子は、18歳到達年度末を過ぎていない。または、20歳未満で障害等級1級・2級の障害がある子です。

 

また、経過的寡婦加算というものもありますが、これは条件が特殊なのでここでは割愛します。詳しくは日本年金機構のサイトでご確認をお願いします。そういう物があるという事だけ知っておき、実際に受給することになった場合に年金事務所での手続きの際にあてはまるのか確認してもらうのが良いと思います。。

 

年金のあれこれ

年金に関するちょっとした知識やトピックを集めました。

 

年金手帳は一生涯使用するから大切に保管しましょう。年金手帳に記載されている基礎年金番号は、加入する年金制度が変わっても同じ番号のままです。

平成28年10月から、厚生年金の加入対象が拡大しました。従業員501人以上の会社で働き、週の労働時間が20時間以上などの条件を満たせば、厚生年金の加入対象となります。これを社会保険の適用拡大と言います。

平成29年4月から、従業員数が常時500人以下の企業でも、労使双方で合意がなされれば、週の労働時間が20時間以上などの条件を満たせば加入可能になりました。条件など詳しいことは、厚生労働省サイトを見るか、年金事務所へ確認を。

 

まとめ

ここまで、厚生年金に焦点をあててお話してきました。

仕組み自体が複雑ですし、そこに制度の変更などで計算式が余計に複雑化していたり、色んな条件で付加金があったり例外があったりと、非常に複雑になっています。

私たち一般人が覚える必要はなく、概要として何となく把握しておくことが大切だと思います。

いざ必要な事態になってしまった時に、そういえばこんな感じの制度があった気がするから確認してみよう、という感じで年金事務所や役所の職員に質問することが出来ますからね。

何も知らないと、職員の方が必ず全ての制度を最大限活用して一番良い形にしてくれるとは限りませんから。

以上、厚生年金のかんするまとめでした。

参考:日本年金機構