医療費控除でお金が返ってくる方法。確定申告の時期だけではなくいつでも出来るんです。

2018-07-08

確定申告はいつでも出来る?!医療費控除でお金が返ってくる

医療費控除の明細書とレシート、ペンが緑色の机に置かれている

確定申告の医療費控除や年金控除などをして、源泉徴収で払いすぎた税金を取り戻すというかお金が返ってくる方法があるんです。

しかもこれ、確定申告の時期だけではなく、年中出来るもの。更に言うと、5年間も有効なんです。つまり、5年前の物まで遡って処理できるという事。タイミングは随時。5年経過していなければ、医療費などまだ控除していない物を控除して、結果的に払い過ぎの税金を取り戻す事が出来るという制度。

今回ご紹介する方法は、税務署に電話して聞いたこと、税務署に行き直接職員の方に聞いたこと、私が実際に税務署にいって実施したことからの生の情報です。ちなみに全国でやり方は統一されている筈えすので、お住まいの地域による差異はないはずです。どこかの地域で特例がないかなどは、全ての市区町村に電話して確認なんてできないので確証はありませんが、その辺はご理解ください。

ちなみに似てる制度で、セルフメディケーション税制という減税制度があります。医療費控除とは併用できない、対を成すような制度です。あわせて理解しておくと良いでしょう。

 

確定申告の時期

毎年2~3月に混雑する確定申告ですが、正確な期日は2/16~3/15です。

そして確定申告は、法人や自分で商売をしている個人事業主が行うものというイメージがありますよね。会社に勤めている人はあまり自分で行うイメージがないと思います。

年末になると会社から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の用紙などを渡され、名前や住宅ローンや生命保険の欄を記入して会社にまた渡す、という感じだと思います。

扶養している家族がいなくて住宅ローンなどもなければ、名前とハンコだけ押して終わりなんて方もいるでしょう。

ですがこの確定申告、会社に出す用紙に控除してもらえる物を全て記載していれば、もうやる事はありません。会社がやってくれています。

ですが、控除し忘れた物、後から気づいた物などがあれば、自分で行ってお金が返ってくる可能性が充分あるんです。確定申告というのは正確ではないかもしれません。還付申告という物を行います。

この度、2018年の3/15を過ぎてから確定申告を行い、医療費控除を行って実際に還付されたので、その経緯を書き記しておこうと思います。

ちなみにこの医療費控除は正確には高額医療費控除という名称で、この呼び方をすると似た名前の高額療養費制度と勘違いしてしまいそうですが、全く違う物です。この2つは併用出来ます。併用できるというより、使う場面が違います。うーんと、場面が違うというのも辺なんですよね。併用できるとだけ覚えていた方が良いかもしれませんね。混乱するといけないので、ここでは高額療養費制度のお話は割愛します。

 

還付申告とは何なのか

ところで還付申告って何?なんでお金が返ってくるの?確定申告をして逆にお金を払う羽目になると聞いたんだけど・・・。などなど疑問があるかもしれません。そこのところを解説しておきます。

まず、この還付申告で医療費控除するという一連の流れを理解するためには、まず所得税のお話を少しだけ知っておく必要がありまして。面倒かもしれませんがちょっとだけお聞きください。

私たちがパートでもアルバイトでも派遣でも正社員でも契約社員でも、会社で働いてお給料をもらったら、基本的にその収入には所得税がかかります。

しかし、一年分の所得税をあらかじめ予測して正確に計算しておく、なんてのはとてもじゃないけど無理です。

そこで源泉徴収という形が取られています。

源泉徴収というのは簡単に言えば、一年間で合計どのくらい稼ぐかはわからないけど、あらかじめ、ある程度の所得税を徴収する様にしておくよ、という物。

この正確な金額は、一年の最終日である12/31が終わって初めてわかるわけです。つまり次の年が明けて初めて、つまり「あけましておめでとう!今年もよろしく!」と言ってから初めて確定出来るということです。

だから確定申告も当然次の年になってから行います。まさに確定申告、その名の通り、確定してから正確な所得税の額を計算して、払い過ぎを返還しますよ、という物なんですね。

で、医療費控除など、控除と名のつくものは、「その分税金を免除しますよ」という物ですから、基本的にお金はかえって来るんです。

医療費控除のほかには生命保険料控除医療保険料控除など、他にも幾つかあります。そういった控除を行うのが還付申告です。1つ1つ別々に手続きをするのではなく、まとめて一回で行えます。

 

還付申告が行える期間

卓上カレンダーの月ごとの紙がバラバラに置かれた上に砂時計が置かれている

個人事業主や企業の確定申告などは2/16~3/15までですが、還付申告は3/15日以降でもいつでも出来ます。2/16以前でも出来ます。次の年になればいつでもできるんです。たとえば、平成29年の1/1~13/31までの医療費控除をするのは、平成30年の1/1~平成34年の12/31までの5年間、税務署がやっている日ならいつでもできるという事です。だからあえて確定申告で混む2/16~3/15などに行かないで、1月中とか3/16以降に行けば空いててすぐ終わります。

しかも5年以内なら出来るという、非常に長い期間が設けられています。

例えば、2015年の医療費が多くかかったが、2016年の2~3月中に確定申告にあわせて還付申告しようと思ってたのに、つい忘れてしまった。それに気づいたのが2018年中だったとします。2018年のうちに還付申告してもまだ全然間に合うという事です。

ところでこの5年間。正確にはいつからいつまでの事なのでしょうか。

まず、一年間という物をどこで区切るのかについて。

確定申告でも還付申告の場合でも同じですが、1/1~12/31までを一年として扱います。学校や企業の決算のように4/1~3/31までではないんです。わかりやすくていいですよね!

で、たとえば2017年の分、つまり2017年の1/1~12/31までの分の還付申告を行えるのは、2018/1/1~2022/12/31までのピッタリ5年間という事です。

ちょっとややこしいですが、簡単に言えば還付申告の処理をしたい年の、次の年の1/1からピッタリ5年間という事です。まとめると、

  • 期間は5年間
  • 3/15過ぎても関係ない

となります。期間については以上です。では実際のやり方の話に入ります。

 

医療費が何年分かの判断は

少し特殊な例かもしれませんが、こういうケースは実際にあり得ます。期間の流れでここでしておきます。特殊と言っても誰の身にも何かの折に起こりえるケースです。

例えば、国民年金をここでは例にとります。

国民年金は、還付申告の対象となるものの一つです。わかりやすく、この国民年金を滞納している分があったというケースで考えます。

その国民年金は、本来2015年末までに払うべきだったもの。

それを払い忘れており、それに気づいたのが2016年の1月だったとしましょう。そこで慌てて行政に連絡してすぐ払いました。払ったのは2016/1/20だとしましょう。実際にはあまりないケースかもしれませんが、例として使うために仮定の話です。

この場合、果たして2015年、2016年のどちらの支払いと見なされるのでしょうか。請求は本来2015年の分。でも実際の支払いを行ったのは2016年。

答えは、2016年分です。そうなんですね、2015年分の請求なのに2015年分と見なされないんですよ。

税務署の職員の方に確認済です。あくまで実際に支払いをした日になるとの事です。領収書に日付印がおされるので、それでいつの扱いになるか確認できます。

請求書が2016年分と支払い用紙に記載されていても、実際に支払いをしたのが2017年なら、それは2017年分と見なされます。

逆に言うと、2016年分の請求なのに、2017年分の扱いになるから、2017年が終わらないと還付申告出来ない、つまり2018年1月1日以降にならないと還付申告の手続きが出来ないという事になります。

元々が2016年分に請求された物が、2018年にならないと還付申告出来ないという事になってしまってます。

あくまでも、実際にお金を支払った年の分となり、還付申告できるのは次の年になってから、と覚えておきましょう。

ちょっとややこしい話でしたが、ここまで、おわかり頂けましたでしょうか。

次に、では何が還付申告出来るのかを見ていきます。

 

還付申告の対象となるもの

還付申告出来るものとは、わかりやすく言えば控除できるものと言い換える事が出来ます。控除という言葉が良く使われるので、ここでも出しておきます。控除というのは、課税対象から外すという意味だと思ってもらうとわかりやすいと思います。

  • 医療費
  • 個人年金
  • 国民健康保険料の支払い(扶養者のも)
  • 国民年金
  • 生命保険(扶養者のも)

「配偶者や生計を一にするもの」という人の分も合算出来ます。この独特の表現は、結婚している人や一緒に住んでいる親や子、親族で、生計が一緒になっていると見なされる人です。あなたが働いて得たお金で生活しているお子さんなどは当然含まれます。

ここでいう親族は、6親等内の血族及び3親等内の姻族となりますが、物によって少し異なることがあります。正確には実際に還付申告する時に税務署の方に確認してもらう事になります。「生計を一にするもの」に該当するか判断するのは税務署の方です。

また、必ずしも同居してなくても良いんです。

他県の大学に通うお子さんが1人暮らしをしてるなどで、仕送りや家賃の支払いなどをあなたがしているならば、「生計を一にするもの」と見なされる可能性が高いです。

ご両親の場合は年齢が何歳以上と決められており、また年齢によって条件が少し異なります。

但し、合算してご自身の還付申告に利用した場合は、ご家族の方がまた別個に還付申告の控除対象として利用する事はできません。2重には使えないという事ですね。

 

それから、以下のものは還付申告の対象とはなりません。

  • 市民税
  • 固定資産税
  • 自動車税

 

医療費控除のポイント

控除は医療費控除だけではありませんが、基本的には同じように用紙の該当する欄に記載するだけなので、ここでは医療費控除を例にとりご説明します。

まあ実際行う時には税務署の職員の方が一緒にいてくれて説明を受けながらやるので、わからない事は全部指示してくれるのでご心配はいりませんが。でも全体的な流れは把握しておき、事前にやっておくべき事もありますので、理解しておきましょう。

 

医療費控除にあてられる費用

バスの車内から前方を見た風景

何でもかんでも医療費に当てはまるわけではなくて、医療費控除の対象となるものとならない物があるので理解しておきましょう。

と言っても、常識的に考えられるほとんどの物が入るので、逆にそれも含められるの?という位ですので心配はいりません。治療目的の医者代や薬代として払った物は該当します。それをこれから詳しくご説明します。

まずは当てはまる物はこちら。

  • 医者、歯科医院で支払った診療費
  • 手術費用
  • 処方された薬代
  • 治療のために病院へ行った際のバス、電車などの交通費
  • 治療目的の指圧、マッサージ

そして、当てはまりそうで当てはまらない物と、そんなの当てはまるわけないでしょ、という物。

  • 人間ドック
  • 予防接種など予防関連
  • 通院のための車のガソリン代
  • 健康食品の購入
  • 美容に関する施術(二重整形など)

これらは当てはまりません。二重整形が当てはまってしまったら世も末です(笑)

ざっくり言うと、何かの病気・症状にかかって治療する目的の物だけという事ですね。そして交通費に関しては、治療目的で通院する際の交通費のうち、バスと電車のみ。車での通院のガソリン代は認められません。まあこれも考えてみればそうだろうという感じですが、料金が一律にならないですよね。車によって燃費の良さが違うし、ルートもまちまち。家から病院までの距離も様々。こんなのを認めていたらキリがないですよね。

だから交通費を医療費控除に充てたいなら、バスか電車の交通機関で行くしかないんです。これが制度の決まりだから仕方ないと思って諦めるしかないです。

 

医療費控除に必要な書類

病院、薬局の領収書など、医療費控除として申請したい物の支払いの領収書が必要です。

ただし、病院の診療費と薬局の薬代については、平成29年分からは、領収書がなければ、あなたが入っている健康保険組合から送られてくる医療費のおしらせでもOKです。医療費のお知らせが見当たらなければ、再発行もしてもらえます。国民健康保険ならば保険者である市、会社の社会保険に入っているならその会社が加入している健康保険組合です。保険証に記載されいている「保険者」という欄をご確認ください。

しかしそのお知らせを持って行けばそれで良いという物ではなく、報告書(または医療費の明細書などと呼ぶ)という物を作成しなければなりません。

パソコンがある方は、事前に作っておいて持って行った方が良いです。税務署に行ってやるとなると時間がかかってしまいやっかいです。あなたも税務署員も疲れてしまいます。

パソコンがなければ、紙に表を作って、医療機関や薬局の名称、日付を分けて表にしておいて、税務署ではそれを移すだけの状態にしておく。領収書を日付と医療機関、調剤薬局ごとに分けておくくらいはしておいた方が無難です。税務署に行ってから大変な思いをするハメになるので。本当に面倒くさいですよ。

平成28年以前の分は領収書じゃないとダメなんですよ。残念ながら。だから、平成28年以前のものは、領収書を取っておいてないならば医療費控除は出来ないので諦めるしかありません。

ならばセルフメディケーション税制はどうなの?と思われた方、セルフメディケーション税制は平成29年1月1日~平成33年12月31日に購入したOTC薬の費用なので、平成28度分には当てはまりませんので、これもダメなんですよね。しかもレシートが必要ですし、健康診断などをうけて健康増進への取り組みをしている事を証明しないといけません。医療費控除よりハードルが高いんですよ。

 

医療費控除に必要な持ち物

通帳と電卓と木でできたシンプルな家の積み木が置かれている

医療費控除をするのに税務署に行く時の持っていくものは以下です。

  • 通帳
  • 印鑑
  • マイナンバー
  • 身分証明書

まずは身分証明書は本人確認に必要です。そして印鑑も必要です。

以前とかわったのは、マイナンバーカードです。平成28年分からはマイナンバーカードが必要という風に変わったんです。平成27年分までについては不要ですが、平成28年以降の分の医療費控除をするならばマイナンバーカードが必要ですので覚えておきましょう。

通帳は、還付されたお金を振り込む口座を書類に書かないといけないので必要になります。

 

医療費控除を行うオススメの時期は

ずばり、確定申告の期間が終わった3/16以降です。確定申告は3/15までですから、3/16以降は確定申告に来る人がいないので税務署が一気にガラッと空きます。

さらにいえば、3/15から1週間くらい経過して3/22以降辺りが超オススメです。

なぜかと言うと、確定申告が終わったばかりは、税務署の職員の方々も確定申告の処理をしまくって脳にやり方がしみついてます。新人の方に当たるとアタフタしたり、下手すると事前に調べまくったこちらより知識がないんじゃないの?という新人さんもいたりするのですが、さすがに一度地獄のピークを味わったからなのか、3/16以降は新人さんも成長してます。私、これ実際に同じ人で経験したんです。

確定申告の最初の頃の2月中旬に質問に行き、チンプンカンプンな様子で私よりわかっていなかったので、「わかりました、ありがとうございます」と言って途中で切り上げてきたことがあったんです。

で、3/20過ぎに医療費控除をしに行ったらまたその人に当たって。でもスムーズにこなしてくれたんですよ。

なので確定申告直後は一番良い時期です。ですが、確定申告のピークが終わった直後の3/16辺りは税務署の職員の方々の疲れもピークです(笑)。

疲れた中で対応されるよりは、1週間くらい空いて体が休まっていて、でも頭はまだ確定申告の方法がしみついたままの頃が一番良いと考えられるんです。実際私はこの時期に行った訳ですが、税務署はガラガラです。チラリホラリとお客さんは来てますが、税務署職員の方の顔には余裕が見えます(笑)。

 

還付申告のやり方まとめ

ここまでのお話をまとめておきます。

  • 平成28年分までは領収書が必須、平成29年分以降は医療費のお知らせでもOK
  • 人間ドックや予防接種、美容整形などは対象外
  • 何年分かの判断は、実際にその支払いを行った年
  • 還付申告できるのは次の年
  • 2/16~3/15じゃなくても出来る
  • おすすめの時期は3/20以降辺り
  • 期間は5年間
  • 平成29年分からは医療費のおしらせでもOK
  • 医療費のみならず、個人年金、国民健康保険、国民年金、生命保険も控除の対象
  • 市民税、固定資産税、自動車税は還付申告の対象外
  • 配偶者や生計を一にする者の上記費用も合算できる
  • 通帳、印鑑、マイナンバーカード、身分証が必要

 

以上、還付申告の特に医療費控除に焦点をあててかなり具体的にご説明しました。

年間の医療費がご家族とあわせて10万円を超えたかもしれないなら確認してみましょう。1万円以上のお金が返ってくることもありますので。

平成28年分(2016年)までは領収書が必須、平成29年(2017年)分からは医療費のおしらせでもOKです。医療費のお知らせは見当たらなくても再発行してもらえますので。