社会保険制度5つの内容と役割を理解しておこう

5つある社会保険制度を全部言える?各社会保険制度の役割と受ける条件

噴水前のベンチに座り、寄り添い話をする年配の男女の後ろ姿

社会保険制度5つと言われてすぐ思い浮かびますか?

私も今でこそ言えますが、以前は「社会保険て、会社で入るあれでしょ?」という感じで、全然答えられませんでした(笑)。

 

私たちが行きて行く上では病気やケガ、事故に失業など、色んなリスクが存在します。それらに対して自分で全て対策を行うことは不可能です。

そのために、社会補償制度で、その中心となるのが社会保険制度です。国や自治体が補助を出し、私たち個人と協力した上で成り立っています。

 

保険の種類により加入できる対象者が決まっており、加入者が保険料を負担しあうことで互助的に支えあう仕組みです。それはつまり、条件とされる保険料を支払ってなければ、必要な時に受給出来ない、または必要条件を不十分にしか満たしてなければ、受給額が減るなどの弊害が出てきます。

 

社会保険5種は絶対に必要な重要なものですから、それを受けるための条件はしっかり理解しておきましょう。いざという時に条件が満たされてなく、生活が立ち行かなくなっては大変ですからね。

ということで、5つの社会保険制度の役割を詳しく見て行きましょう。

 

社会保険制度5つ

大テーブルの上に資料やパソコンを持ちより忙しくミーティングする人たちを上から見た図

社会保険制度は以下の5つがあります。

  1. 公的医療保険
  2. 公的年金保険
  3. 介護保険
  4. 雇用保険
  5. 労働者災害補償保険

3番、4番はそのままですが、他は名前が専門的なのでわかりづらいですね。

要するに1番は健康保険、2番は国民年金と厚生年金のこと、5番は労災です。

これらが何か、その境界線はどこかなどがあまり理解されていないのが現状です。

似たようなものが多く、仕組みは複雑。特に自分が関係がない物は中々知る機会がないので仕方がないんです。でも、その意味が必要になる時がたまにあります。その時に慌てて情報を探しても、中々答えにたどり着かないんですよね。

 

時折、国民健康保険と社会保険ということで、職場で入る健康保険のことを社会保険と記載してある事がありますが、これは正しくありません。国民健康保険も社会保険です。

一般的によく、「職場で給与から天引きされるものをまとめて社会保険と呼んでしまう」事が多いので、それだけを社会保険と呼ぶと思い込まれてしまった可能性が考えられますね。

 

専門家(士業)のサイトも、間違った内容を記載していることが度々見うけられます。だからということで、大元である行政や自治体のサイトを見に行っても、まず情報が探しづらいですし、そのほとんどが極めてわかりづらいです。1つのことがらに関する情報も1か所にまとまってません(汗)。

じゃあ仕方ないと思って電話して聞いても、質問の答えが返ってこない事さえあります(汗)。もうどうしたら良いのという感じです(笑)。

 

やってみるとよくわかりますが、公的制度や法律関連のことは、裏付けの取れた情報を集めてまとめるには、非常に時間がかかるんです。なのでここでまとめて理解しておきましょう。

 

まずは全体像を把握しましょう。表にまとめてみました。

種類 分類 内容や対象者
公的医療保険 健康保険組合 会社員の医療費
共済保険 公務員・教員の医療費
船員保険 船員の医療費
国民健康保険 上記以外(自営業や無職の人)の医療費
公的年金 国民年金 20~60歳の国民。老齢・障害・遺族年金の3つがある
厚生年金 会社員が加入する年金の上乗せ制度
介護保険 40歳以上が加入。将来要介護認定により受けられる
雇用保険 一定条件下で加入。失業給付金がもらえる
労災保険 被雇用者全員が加入。雇用者が全額負担

簡単にまとめるとこうなります。将来的には全て必要になる保険です。介護保険・労災保険は利用することなく一生を終える可能性もありますが、それはラッキーなケース。それならそれに越したことはありませんが、お世話になる可能性を踏まえて準備しておくべきです。そもそも保険とはそういうものです。

 

では、これらの内容を1つ1つ見ていきましょう。

 

公的医療保険

病院のナースステーションを外側から見た図

誰もが健康保険証を持っていると思います。それは公的医療保険に加入しているからです。普段私たちが単に「保険証」と呼んでいるのがこれですね。

4つの公的医療保険

この公的医療保険は、以下の4つに分かれています。

  • 健康保険組合
  • 共済保険
  • 船員保険
  • 国民健康保険

どれも病院に行くなど医者にかかる時に受付に見せる保険証の医療保険制度です。内容はほぼ同じ。職業によって分けられているんです。

 

健康保険組合

まず、会社員の方は、会社が加入する健康保険組合の医療保険になります。これは多数の組合があり、その会社によりどの組合に属するかは異なります。

大企業だと、自分たちだけで組合を作っている所もあります。様々あるものの、内容はほぼ同じです。最低限必要な物はどの組合も満たしている筈ですが、大企業だと、それに加えて非常に魅力的な制度をもうけている所もあります。

 

共済保険

公務員や私立の教員などが入る健康保険です。公務員はこのくくりに入ることになっているんです。役所の職員も、警察でも公立の学校の先生でも。そこに私立の教員を含めた人が加入するのがこれです。

 

船員保険

船員だけ別のくくりになっています。特殊な職業ということで補償も多少違いがあります。行方不明手当金など一部特殊な制度があります。他の健康保険に比べて手厚い傾向があります。

 

国民健康保険

自営業の人や無職の人が加入する健康保険です。保険者(保険金を支給してくれる所)は自治体になります。〇〇市とか、東京なら〇〇区とかです。

 

公的医療保険の重要性

これらの公的医療保険制度は、ご存知でしょうが超重要です。

私たちがケガや病気になった時に、医療費は高いですけども、それでも何とか支払いが出来る金額に抑えられてるのは、この医療保険制度のおかげです。

医療保険制度が7割を負担してくれて、私たちは3割(母子家庭や高齢者は異なる)の負担で済んでいるのです。

これがなかったら、私たち一般庶民はとてもじゃないですが医者にはかかれません。とても重要だから国民皆保険なんですね。

アメリカでは、国民全体を対象とした公的医療制度がないそうです。つまり民間保険だけ。裕福な人しか入れないんです。だから加入していない人も多いらしく、医者に行きたいのに行けないという方も結構いるんだそうです。日本は公的医療保険が当たり前なので良かったです。何か心配があればすぐに医者に行けるんですよ。

しかし、日本が必ずしも良いとも言えないんです。医療費がほぼただの国もあるから。それも多数。

この辺は色んな事情やメリット・デメリットがからんでいて、一概に良いとは言えないです。いずれ別記事にて。

結局のところ、払わない状態を放置しないで、他の事を後回しにしても健康保険だけは支払っておいた方が良いです。

 

国民皆保険制度

国民皆保険制度と言って、全ての日本国民はいずれかの公的医療保険制度に加入することになっています。でも、わずかに加入していない人がいるのが現状です。

健康なままならそれでも良い(正確には良くない)ですが、いざ病気やケガで医者にかかる必要が出た時に困ります。

そこで急いで加入して保険証をもらうことも可能ですが、未払いの期間の支払いも求められます。滞納金も課せられます。合計金額が大きい場合は、相談の上で分割納付に応じてもらえる可能性もあります。

 

公的年金

年金手帳の表紙の上に電卓が乗っている

公的年金制度は2種類あります。

  • 国民年金
  • 厚生年金

ところで、この2つの違い、わかりますか?

 

国民年金

そして、国民年金を支払うことで受けられる年金が3種類あります。俗にいう「年金」はこのうちの1つです。

  1. 老齢基礎年金
  2. 障害基礎年金
  3. 遺族基礎年金

老齢基礎年金がそれです。年金、年金と私たちは言いますが、正確な名称は老齢基礎年金というんですね。

この、国民年金、社会保険の中でも超重要です。

あえて赤い太字にします。本当重要です。

「将来年金なんてもらえない可能性が高いから意味がないよ」なんて言葉も聞いた事がありますが、それは大間違いです。そもそも支払わないといけない物です。

国民年金を支払ってることで受けられるのは老齢基礎年金だけではないんです。

障害基礎年金と遺族基礎年金も、国民年金を支払ってないと受給出来ないんですよ。

何かの事故やケガ、病気によってなどで障害者になったとします。すると障害者手当が出るってよく言いますよね。それがつまり、障害基礎年金です。この条件が国民年金なんです。

そして遺族基礎年金。これも国民年金が条件です。

 

支払い期間の満期満額でなくとも、ある一定期間支払っていれば、障害基礎年金と遺族基礎年金は受けられます。減額などもありません。

ただし、老齢基礎年金だけは期間と支払い割合により減額されます。

 

少子高齢化で、将来的に制度が変わったとしても、満額納めてきてる人と、そうじゃない人が同じ扱いを受けられる事はまずないでしょう。やはりこれも、出来る限り満額納めておくのが結局は自分のためになると言えます。

さらに、国民年金は年末調整や確定申告で行える控除にも適用されます。

 

介護保険

介護保険は地域により金額、支払い方法が決められていますが、概要を以下のようになります。

  • 40歳以上の人が加入する(支払う)
  • 会社勤めの方は給与から天引き
  • 無職の場合は国民健康保険の支払いとセット、または別で納付書が送付される
  • 前年の所得によって金額がかわる

無職の場合ですが、基本的には国民健康保険と合算した納付書が届くと思います。その国民健康保険は世帯主に支払い義務があるという決まりのため、1枚にまとまって世帯主の名前宛てで届きます。

世帯主が勤務先の健康保険組合や後期高齢者医療制度など、国民健康保険以外に加入していても、世帯内に国民健康保険に加入者がいれば、世帯主が納付義務者となるという仕組みです。

支払いの面で少し注意が必要なのが、介護保険は無職の人にも課せられ、前年の所得により金額が変わる点です。

初めて介護保険が課されるのが40歳。39歳の時に働いていて所得がある程度あり、40歳で無職になった場合、介護保険がかかる事を気づかないと・・・。しかも39歳の所得があったときを元に計算されるので、結構高くなります(汗)。

中々気づきにくい事ではありますが、39歳と40歳の境い目辺りで仕事を辞める場合は注意しておきましょう。再就職先の目処が付いてない場合は要注意ですね。

 

雇用保険

会社勤めしていて、一定の要件を満たしている方に課されるものです。

雇用する側の義務となっています。支払い金を出すのは労働者本人ですが、手続きは雇用者側が行い、給与から天引きします。給与明細に記載されます。

失業した場合の失業給付金を受給するための大事な保険ですが、会社側が必ず行わなければならない手続きなので、労働者側が自分で手続きするなどはありません。

 

労災保険

職場で働く全従業員の加入が必須となっているものです。

入社した初日から加入しています。雇用形態も労働時間も無関係。雇用されていればとにかく全ての人が加入です。正社員も、パート、アルバイトも、日雇いも、外国人労働者も。

事業主が全額負担します。

業事務上または通勤中の事故やケガ、病気などで医者にかかった場合の医療費や、死亡した場合には遺族に所定の給付金が支払われます。

 

まとめ

神社の石畳を歩く老夫婦の後ろ姿

以上、5つの社会保険について、浅く広くですがまとめました。

各々の社会保険制度について詳しくは、各記事をご覧頂ければと思います。

世のほとんどの方が、正体をよく知らないまま誰かがやってくれているだろうと放置していると思います。確かに誰かがやってくれている物がほとんどですが、自分でやるべきことや確認がまったくないわけではないです。

全てが大事な制度なので、できれば一度はちゃんと確認しておくべきです。理想はやっぱりしっかり把握してある程度は覚えたりしてあることです。いざという時にすぐ対応できるし、予備知識があれば何をどう調べれば良いかすぐ思いつきます。

 

社会保険は、民間の保険と似ていますが、国や自治体が援助してくれるので、民間の物より支払い額は少なくて済むお得な物なのです。なのでこれを利用しない、利用できる条件を満たさなかったのではもったいないんです。

このタイミングで詳しく知れたことを幸運と思い、有効活用できるように状況を整えておきましょう。

 

その上で、さらに民間の保険をどう組み合わせるか、または社会保険制度だけで充分なのかよく考えて、一生涯の保険にどこまでお金をかけるのか考えて行けば良いのです。

 

ファイナンシャルプランナーや、「保険の〇〇」などから聞いた話だけで全てを決めるのは少々危険です。彼らもボランティアではないですから、保険会社と繋がりを持ち、必ずマージンが入っています。または提携していたり子会社のような関係になっているでしょう。

つまり、昔は保険会社の外交員だったのが、保険の紹介会社として形を変えただけの事。構図は昔と変わりはないのです。保険会社とは別だから信用出来る、お客さんの事だけを考えてくれる、などというものではないという事は理解しておきましょう。

ただ、複数の保険会社から選べる点だけは確実にメリットです。

 

まずは、公的な社会保険制度を優先的に抑えておきましょう。それが結局は全体的に見て、保険にかかるお金の一番の節約になると思います。

 

参考:厚生労働省 全国健康保険協会