接骨院や整骨院で健康保険が使える時と使えない時がある

病院に通うのは楽じゃない

黒いTシャツの女性の腰を両手で指圧している

 

ケガや症状によっては、1、2回の通院で治らず、長期間通わないとならない時があります。

大きな病院の整形外科や、有名な整形外科医院に通うのが、距離的に大変だったり、仕事の都合で通いづらい事も多々あります。そういう場合は、時間だけでなく、公共の交通機関を利用して通う交通費や、自家用車のガソリン代も結構かかります。

そんな時には、接骨院や整骨院を利用することを視野に入れると良いかもしれません。

 

接骨院や整骨院も上手に使えば節約に

自動車を運転している社内の画像

接骨院や整骨院は、医者とは違いますが、柔道整復師という国家資格を持った人が営むものです。主に関節や骨、筋肉などのケガの治療を行うことを専門としてます。

カイロプラクティックやあん摩、鍼灸師、整体師、リラクゼーションマッサージなど、似た物が色々ありますが、これらは柔道整復師ではありません。そういう事を行える接骨院や整骨院もあります。

柔道整復師の資格がないと、接骨院や整骨院と名乗ることができない決まりになっています。なので、この名前を掲げていたら、柔道整復師の資格を持っていることがわかります。

そんな接骨院・整骨院ですが、症状によって健康保険が使えます。各種保険取扱いと書かれていたりもしますね。

無痛整体とか、リラクゼーションマッサージなどは保険適用はできないですし、資格が不要な物もあります。選び方には注意が必要です。

健康保険が適用できるケガや症状だった場合、病院と同じように3割などの自己負担で施術を受けられます。

近年は、接骨院・整骨院の数が急激な増加傾向にあります。これについては最後に補足します。

このように、接骨院・整骨院は最近は非常に数が多いので、病院と比較して、家の近くや仕事帰りに寄れる場所にある確率が断然高くなります。移動距離も短くて済むので交通費が節約できます。

また、1回のリハビリに係る費用は結構安く済むことも多いです。

そして、営業時間も長い所は夜20時までやっていたり、病院や医院より長い傾向があります。仕事帰りに寄れる確率が上がり、病院や医院よりとても通いやすいとも言えます。

 

健康保険が適用できない症状

健康保険法と書かれた本が机に置かれている

接骨院・整骨院では健康保険以外にも、労災保険や自賠責保険が適用できます。

そこで一番心配なのが、施術を受ける場合に保険適用できる症状かどうかという事です。

 

保険適用できるケガ・症状

一般的に、以下のケガ・症状で保険適用可能です。

  • 骨折
  • 脱臼
  • 打撲
  • 捻挫
  • 挫傷

このうち、骨折・脱臼だけは、応急処置の場合を除いて医師の同意が必要です。

 

保険適用外のケガ・症状

 

慢性的な肩こりや内科疾患に起因する腰痛などは、保険適用の対象外となります。

つまり、健康保険などが使えず、10割自己負担となります。となるととても高いので、接骨院・整骨院に通うことが節約にはなりません。病院に行く方がまだ安いでしょう。

私はこっち方面でも患者としてプロフェッショナルです。ええ、普段の腰痛からぎっくり腰、首の傷みや多少の足のしびれなどに長年地味に悩まされてます。

そんな私が思う、保険適用できそうかどうかの事前に判断する方法をご説明します。結構使える方法なのでオススメです。

 

保険適用できるかどうかの判断方法

素人でも、だいたい保険適用できると予想できる大きな判断材料があります。

それは、その症状が起きるのに明らかな「きっかけ」があったかどうか。

たとえば、

  • スポーツをしている最中にバランスを崩して足首を捻挫した
  • 雪道で滑って転んで膝を打撲した
  • ボールが当たって手がハレた
  • 運転中に目視確認しようと首をひねったらグキっとなってそれから痛い

などです。ちなみに最後の運転中に首をグキっは私の実例で、保険適用できました。

その接骨院・整骨院により、理由がハッキリしていれば適用OKの所と、非常にうるさく聞いてくる所とあります。たいていの所は、ちゃんと相談すれば判断して、事前に教えてくれますが、お店によっては結構迷惑そうに答える所もあるのも事実です。

オススメの方法としては事前に電話して症状やきっかけを話し、保険適用できるか聞いてみると良いですよ。行ってみてからダメだったとなるよりは、電話で済めば時間もムダにせず済みます。

その電話で保険適用できるかどうかほとんどの場合判断してくれますし、受け答えの雰囲気でそのお店が親切な所かどうか判断できます。

ゴッドハンドみたいに言われている接骨院・整骨院があったりしますが、そういう人の高いレベルの治療を受けるには保険適用外になる可能性が高いです。どうも保険適用で出来る範囲の治療、というククりがあるようで、思う存分その柔道整復師の力を発揮するにはその制限を解除して好き放題やれる状態じゃないとダメみたいなんです。複数の柔道整復師にかかったことがありますが、何度かそういう話を言われた経験があります。

 

柔道整復師とは

ケガをした人の足首に包帯を巻いている

柔道整復師について少しご説明しておきます。

ちなみに、世の中には接骨院・整骨院、整体、マッサージ系は多種多様ありますが、何かお悩みの症状がある場合、柔道整復師にみてもらうことをオススメします。

こういう整体系のお店は、私たち素人目には同じような物み見えてしまいがちですが、かなり違います。私の経験と、知り合いの整体師から聞いた話の範囲ですが、柔道整復師とカイロプラクティック以外は治療的な効果はあまり期待出来なそうです。

マッサージは気持ち良さ+一時的な緩解、程度に思っておいた方が無難です。それに保険適用もできません。だいたい1時間安くても3000円、高いと6000円くらいです。

 

柔道整復師という職業

先ほども述べましたが、柔道整復師という国家資格を取得した人のことです。この資格があれば「接骨院」や「整骨院」という名称を掲げて開業できます。病院や接骨院などに勤務することも可能になります。

柔道整復師と似て非なる物として以下があります。

  • 整体師(民間資格)
  • カイロプラクティック師(民間資格)
  • あん摩・マッサージ・指圧師(国家資格)

 

柔道整復師の資格取得

柔道整復師になるためには、試験を受験する前に、高校を卒業した上で更に専門の養成施設(3年間以上就学)4文部科学省の指定した4年制大学を卒業しなければなりません。

4年生大学の場合は、以下の履修が必要とされています。

  • 解剖学
  • 生理学
  • 運動学
  • 病理学
  • 衛生学
  • 公衆衛生学
  • 柔道整復理論
  • 柔道整復実技
  • 関係法規
  • 外科学
  • リハビリテーション学

結構本格的で大変そうですね。

そのうえで、国家試験を受験して合格すると、厚生労働大臣免許の柔道整復師となるわけです。

 

柔道整復師の業務

骨・関節・筋・腱・靭帯などに加わる急性・亜急性の原因による骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などに対して、手術をしない方法で整復・固定などを行い、人間の治癒能力を最大限に発揮させる治療を行うことだそうです。

ようは、早く治るような手技などをおこない、ケガの治癒を速くするということですね。

医者ではないので薬を処方することはないです。サプリメントの服用を勧められることはありますね。

結構すごいですよ。普段仕事でどういう姿勢を取ることが多いかとか、首や背骨にゆがみがあるなどを、ちょっと腕とかを動かした時の動き方などで見抜かれます。

 

柔道整復師は増えすぎた?!

青空の背景に、白い棒グラフが右に行くほど長くなっている

柔道整復師はここ20年ほどで増え続け、今現在では非常に多くなってもはや飽和状態と言っても良いでしょう。厚生労働省の就業柔道整復師・施術所数 年度別推移のグラフを見るとよくわかります。特に大阪の数は断トツで多いですね。

厚生労働省 就業柔道整復師数・施術所数 年度別推移
出典:厚生労働省 就業柔道整復師数・施術所数 年度別推移
厚生労働省 人口10万対柔道整復師数
出典:厚生労働省 人口10万対柔道整復師数

 

増えたという事はまぎれもない事実ですが、これが私たち消費者にとって何を表すのかは難しい所です。

大阪は異常なまでに多いですが、柔道整復師の数が多くて、その分リラクゼーションや整体のようなお店の割合が少ないかもしれません。となれば、大阪など柔道整復師の数が多い所では接骨院・整骨院の割合が増えて、他県よりも専門的な施術ができるお店の割合が多いとも言えます。

この急激な増加、実は背景があります。

以前までは、厚生省により柔道整復師養成施設の新設を認めない処分が出されていました。平成10年に、これを取り消す判決が福岡地裁において下されました。

これにより、それまでは全国に14校しかなかった柔道整復師養成施設が、平成22年の時点で100校まで増えました。ということは、柔道整復師になる人が爆発的に増えるのもうなづけます。

 

参考

厚生労働省 就業柔道整復師数・施術所数 年度別推移

公益社団法人 日本柔道整復師会