入院費を節約する方法まとめ

入院時の費用をマスターし最大限に節約しよう

バインダーにはさまれた問診票と、その上に検査結果と聴診器が置かれている

入院するとなったら、その時点である程度大きなお金がかかる事が確定しています。そんな時には、少しでもかかる費用を抑えておきたいものです。

入院は大なり小なり、ある程度大きな金額がかかります。退院時の医療費の支払いは無事できたとしても、その後の生活になんらかの影響を与える事は間違いないです。借金をする事になる可能性だって大きいです。

借金をするならするで仕方ないですが、それでもなるべく安くしたいですよね。

実は心理学でこのような事があります。

ある程度大きな普段かからない額の出費があると、金銭感覚にズレが生じて、高い金額を誤差のようにとらえてしまう傾向があるのです。誰もが覚えがあることでしょう。

車を買う時、家を買う時、電化製品を買う時、などなど。そして入院もその1つです。そういう時は、普段なら高いと思うものをひょいひょいと買ってしまいやすいのです。そして後で財布や銀行残高を見て、

 

この記事では、そういうお話も含め何に気を付けて具体的にどうすれば良いか。

持病が2つもあり、幸か不幸か、普通の人より明らかに入院や医者通いした経験豊富な私が実体験を元にご説明させて頂きます。

 

入院時にかかるお金はこれだけある

黒板に書かれたチェックリスト

入院費の内訳おもにこのようになります。

  • 治療費(薬・点滴・検査・画像診断・手術・リハビリ・その他)
  • 入院基本料(診察料・看護料・室料・寝具代など)
  • 食事代
  • 差額ベッド代
  • 病衣・タオル等のレンタル代

このうち、健康保険が適用されるのは太字の部分です。つまり、治療費、入院基本料、食事代ですね。

 

食事代

自己負担額が決められています。減額制度があり、住民税非課税の世帯だけは減額制度が利用でき、安くなります。

ちなみに、ここ数年で住民税非課税世帯を除いて、段階的に引き上げられました。

区分 2018/4/1から
A 一般の方 460円
B 住民税非課税世帯に属する方 210円
C Bのうち、所得が基準未満 100円

 

差額ベッド代とは

少人数部屋や1人部屋、特別室など、通常よりレベルの高い部屋を使用した場合に加算される室料の事を差額ベッド代などと呼びます。こういう部屋のことを特別療養環境室と言います。これは厚生労働省により要件などが決まっています。長くなるので後述します。

 

 

入院時に使える節約ワザ

白い机の上にキーボード、でんたく、筆記用具と、ペンを持ってメモをする女性の手

入院した時に使える節約テクニックは、大きく2つに分けられます。

  • 公的医療制度を使う
  • 自分で節約する

公的医療制度はズバリ、知っているかどうか。知らないのだから利用する筈がないですね。

国や地方公共団体というのは、制度があっても向こうから「こんなのがありますよ。あなたの場合はこれとこれが使えます。使える制度は全て実施して最大限お金を節約しましょう」なんて教えてくれたりはしないのです。

すべて申告制。こちらから手続きする必要があるんです。だから、「どんな時にどの制度が使えるか」という知識をどれだけ持っているかが、「どれだけ入院費を節約できるか」になります。

ということで、これらを詳しく理解しておきましょう。

私たちにできるのは、公的制度を出来る知り、めいっぱい使うこと。そして、自分で出来ることも行う。これが、入院費を極限まで節約する方法です。

 

公的制度による節約方法

病院の廊下

入院に関係する公的制度はこれだけあります。

  • 高額療養費制度
  • 傷病手当金
  • 医療費控除
  • 出産育児一時金
  • 出産手当金

その状況により適する制度が異なるので、入院したら上記の制度のすべてを利用できるわけではありませんが、これらはどれも数万円から数十万円の違いを生んでくれるものです。使える状況では必ず使いましょう。賢い人は当然のように使っています。

 

高額療養費制度

高額療養費制度は超重要です。手術などで50万円など高額な医療費がかかったとしても、自己負担は一定の金額までで打ち止めし、それ以上は補助してもらえるという制度です。

年収によって自己負担限度額は変化します。診療科によっても多少変わります。だいたい自己負担は10万円くらいまでで、それ以上は補助されます。これはたいていの場合、病院側が提案してくると思います。

詳しくは以下の記事でご説明しています。

 

傷病手当金

会社を病気やケガで長期休み給料が出ない間、健康保険組合(国保の場合は行政)から傷病手当金というお金を支給してもらう事ができます。だいたい給料の3分の2くらいが支給されます。業務中・通勤中に起きたケガや、業務のせいでかかった病気は労災扱いになるので除外です。その場合は労災保険からお金が出るでしょう。

 

医療費控除

入院や手術とは関係なく普段から使える制度です。医療費が家族の合算でだいたい10万円を超えた年は、確定申告でお金が返ってきます。

会社が行ってくれる年末調整では一緒にやってくれないので、ご自身でやる必要があります。医療費控除のやり方や注意点については以下の記事をご覧ください。

 

出産育児一時金

出産時に42万円くらいの手当金が保険者から受給できるという制度です。社会保険の場合はその保険組合、国保の場合は市や区が保険者になりますが、その市や区によりもっと多い金額を支給してくれる所があります。出産する方が被保険者・被扶養者いずれの場合も支給されます。

 

出産手当金

出産により仕事を休む期間、お給料が出ない代わりに支給して生活を支える制度です。お給料のだいたい3分の2が支給されます。出産手当金と違い、出産する人自身が被保険者である必要があります。被扶養者ではもらえないんですね。

 

自分で節約する方法

病院の受付の待合い席と長イス

入院で病院に支払う費用は、どうにも変更しようがない節約不可能な部分と、可能な部分に分かれます。

変更できないのは医療費や食事代など、基本的には保険適用部分です。これらは支払う事を避けられませんし、金額を変更することも出来ません。ただし、補助金を受給出来たりすることは上で述べた通りです。

自ら節約できる部分は限られますが、できる事が幾つかあります。

  • 差額ベッド代を発生させない
  • 病衣・タオルなどのレンタル代を節約
  • 入院中に必要な生活用品の購入

この辺は状況に応じて節約が可能です。

 

差額ベッド代の節約

差額ベッド代の節約と書きましたが、これは安くするというより、「払うか払わないか」になります。まず、差額ベッド代とは何なのか、どういう仕組みなのかを先にご説明します。

 

差額ベッド代の要件

  • 1部屋に4人以下
  • 1人当たり6.4㎡以上
  • プライバシー確保用の設備がある(仕切りカーテンなど)
  • 個人用の「私物の収納」「証明」「小机等及びイス」の設備がある事

 

差額ベッド代の請求条件

そして、病院が差額ベッド代を患者に請求できるのは、以下の条件を全て満たす場合と決められています。

  • 患者が希望するか、病院の勧めに患者が了承する
  • 患者が同意書にサインする

 

差額ベッド代を求めてはいけない状況

  • 患者側さん側から同意書を記載してもらっていない場合
  • 治療上必要性がある場合

差額ベッド代を請求するには、患者さんにしっかり説明し同意を得なければならないと厚生労働省で決められています。

説明し同意を得た上で、同意書に記入してもらった上で入院となります。

そして、治療上どうしても必要な場合も、病院側は請求してはいけない事になっています。重篤な状態でICUに入るとか、治療の都合上1人部屋、2人部屋である必要があるなどの場合は、請求されません。

 

差額ベッド代を節約するには

確認をおこない、問題があった場合は指摘して支払いを拒否しましょう。厚生労働省で定められている事なので、要件を満たしていなければ請求できないことになっています。

以下2回のタイミングで確認をおこなうだけです。

  • 入院時の説明
  • 退院時の支払いの時

まず、入院する時に、案内された病室が4人以下の部屋だった場合に意識しておきましょう。この後まもなく、差額ベッド代についての説明があるかどうかを。

4人より多い人数の部屋だった場合は、差額ベッド代は発生しません。一応退院時に明細書の内訳を見て、差額ベッド代が請求されてないかだけ確認しましょう。

4人以下の部屋であるにもかかわらず、もし説明がないまま入院初日が終われば、「治療のために必要だから、または空いてる大部屋がなかった」などの理由によるものだろうという事になります。よって、病院側は差額ベッド代を請求できません。差額ベッド代のことを気にする必要はないでしょう。

ただし、油断はせず、退院して支払いをする時には、お金を渡す前に請求書の内訳をちゃんと確認しましょう。そして何のお金がよくわからない物はちゃんと質問しましょう。

支払いは会計窓口で行います。そこにいる職員は医療事務の資格を持った人です。場合によっては入院病棟のナースステーションや主治医に確認することもあるかもしれませんが、基本的には質問に答えられる筈です。

退院時に支払いをする事になりますが、大事なのは、入院する際に以下の事があったかどうかを確認することです。

  • 差額ベッド代の説明があったか
  • 同意書に記入したか
  • それは治療上必要だったり、他に空き部屋がないからなどではなかったか

上の条件が全て満たされたならば、差額ベッド代は、患者さんが側が望んだか、病院側が勧めて来たのを承諾した場合になるので、差額ベッド代の請求は正当ということになります。つまり支払うことになります。

支払いの際に、請求書の内訳はちゃんと確認しましょう。

そこに差額ベッド代があった場合、思い出してください。入院時に病院側からの説明や、同意書の記入をしたかなどを。

 

病衣・タオルなどのレンタル代の節約

入院中、病衣(室内着、パジャマ)やタオルなどの入院時に使う身の回り品のレンタル代がかかります。布団などは入院基本料に含まれていますが、病衣やタオルは別です。これらの節約については、以下の記事で詳しくご説明しています。幾つかの病院の例も挙げているので、一度ご確認頂くと良いと思います。

 

入院中の生活用品の購入

なるべく100円ショップでそろえる事をオススメします

病院には売店があり、必要と思った時に病院を出ずにすぐ買えるという点では便利です。

しかし、たいていの病院の売店は以下の欠点があります。

  • 価格設定が高い
  • 品揃えが悪い

他に競合店がないため、値段が高めです。しかも品揃えがかなり微妙で、イマイチな商品をそれなりの価格で買うことになるのでコスパ悪しです。

そこで、急ぎの場合など以外、売店はなるべく使わないこと。できる限り100均で買うことを提案します。

病院というのは様々な病気の方がいる所です。入院中に使っていた物は、退院したら捨てた方がベター。捨てるならばなるべく安いものにしておくということ。

入院している方の気持ちが少しでも癒されるように、その方が好きな道具を用意してあげることも大事ですよね。その辺は好みやバランスです。

私は病室でおしゃれにこだわっても仕方ないと感じたので、使いやすそうでシンプルなデザインの物を100円ショップで全てそろえました。緊急の入院ではなかったので、自分で買い物する時間があったんです。

ただし、T字帯(手術用のパンツ)とか、検査用の穴あきパンツなど、医療に関する物を自分で購入するように言われることがあるのですが、これらはその病院の売店で買うことをオススメします。その病院の医師や看護師は、当然ながらそこで売っている物に慣れています。多くの患者さんがそこで買うでしょうからね。

別に他のドラッグストアなどで購入した物でも問題ないでしょう。でも、大事な自分や家族の体です。私なら、たとえわずかでも自分の身の安全性を上げるなどの観点から、医療関係の物だけは多少高かったとしてもそこの病院に合わせます。

 

まとめ

白衣を着た女性がペンとバインダーを持ってこちらを向いている

入院した事がなかったり、自分で支払いをした事がない場合、中々現実味を持ってその金額をとらえる事が難しいものです。最終的な額だけを聞いて「まあそんなもんだろう」などと思いがちです。

その内訳がどうなっているのかまで思いが及んでいるのは、家計を預かっているご家族の誰か一人の事が多いです。

家計を担っている人ですら内訳を確認しない事がありますからね。

「でもそんなの、実際かかったんだから見ても仕方ないじゃない」と思われるかもしれません。確かにそうです。

でも、本当はそれがもっと安くできるのだったとしたらどうでしょう。本当は請求される必要のない物が含まれている可能性があったとしたら?

そういう事は実際にあり得るのです。

そのためにはまず、入院費用の内訳や、その仕組みを知ることが最初の一歩です。

 

参考

全国健康保険協会

厚生労働省