家賃の値引き交渉をする具体的な手順
家賃の値引き交渉は段取りと手順が大切
家賃の値引き交渉において大事なのは、「具体的に何をするか」と「それを行う順番」です。
値引き交渉は、これからご説明する順番で行いましょう。そうすることで以下のメリットがあります。
- 値引額が最大化しやすい(一番得になる)
- 成功しやすい
- 交渉の流れもスムーズになる
見過ごせないメリットです。私が知る限り家賃交渉の最良の方法だと思います。
で、上手くことを運ぶには、多少の準備も必要になります。その準備も含めた、具体的な手順はざっと以下のようになります。
- 比較物件を決めておく
- 予算が限られている事を伝える
- 他にも迷っている物件がある事を伝える(そちらの方が少し安いのが理想)
- 家賃を値切る
- 駐車場代を値切る
- 礼金を値切る
1、2、3は準備段階。本番は4、5、6です。比較物件とは、契約したい物件のライバルになるような似た物件のことです。それをあらかじめ用意しておくんです。
この順番は値引き交渉でとても大事なポイントなので覚えておきましょう。
値引き交渉といっても、大家さんに話すのは不動産屋さんの仕事。私たちは不動産屋さんに依頼内容を伝えるだけです。
あとはそれを大家さんが承諾するかどうか。不動産屋と大家さんとの関係もかかわってきますが、私たちにできるのは不動産屋に値引きの依頼をすることまでです。
あとは運を天に祈るばかりなり。
では、これらの項目を詳しくご説明します。
1.比較物件を決める
あとで実際に交渉する際に、比較として使う物件を決めておきます。そしてその資料を紙に印刷しておくか、スマホなどですぐ見せられるようにしておきます。
ただ「安くして欲しい」と伝えるよりも、実際に迷っている物件があると伝えることで、突然リアリティを持ちます。相手側からしても、「他のライバルに顧客を取られてしまうかもしれない」と焦ります。
なので、実際に契約したい物件と条件が似ている物件を探しておきます。アパートを探す際、幾つも候補を挙げておいて、だんだんと絞っていって、最終的に3つくらいの候補に絞りこまれると思います。
その2番手、3番手を比較材料に使うのが良いでしょう。もし、第一候補に一目ぼれして第2、第3の候補がない場合は、あえて似た物件を探してください。
比較材料としての条件は以下です。
- 条件が似ている
- 本命より少し安い
この2つです。
まず、条件が似ていないと比較対象としての効果を発揮しづらいです。でないと比べようがないので。
少し安いことは、「条件が似ている少し安い物件と迷っている」ということならば、「それに近い金額にしてあげれば契約してもらえる」と思わせやすくなります。
もしこれが逆で、比較する物件の方が高いと、「うちの物件の方が安いんだから、値引きする必要はないのでは。うちを選んで欲しい」と大家さんに思われてしまいそうです。
ということで、あらかじめ条件が似ていて少し安い物件を探しておきましょう。
2.予算が限られている事を伝えておく
予算が限られていることを相手に伝えるのも効果があります。
「予算が限られている = 値下げしないと契約してもらえないおそれがある」
という考えを相手方に与えることが出来ます。
3.他にも迷っている物件がある事を伝える
最初に見つけておいた比較物件の情報をここで伝えます。
実際の値引き交渉に入る前に、先に不動産屋に迷っている物件があるという情報を入れておくわけです。
大家さんを、「他の物件に移られたくない。うちで契約してもらいたい」という気持ちにさせる狙いです。
最初に不動産屋に伝えておくことで、事前情報として大家さんにも伝わる可能性があります。または何かしら、不動産屋が契約をまとめる方向に何かしら働きかけてくれる可能性があります。
不動産屋さんも、値引きの希望があることをわかった上で大家さんや、実際の管理不動産屋と話をすることになるわけですから、何かしら言葉に影響が表れてくれるかもしれません。
この先値引き交渉をしてくるかもしれないという予感を大家さんに与えておく効果もあります。何でも突然よりは前もって伝えておく方が、相手にも無理をさせずスムーズにいくものです。
実際の管理不動産屋というのを少しご説明します。
物件というのは、実際に管理を行う不動産屋が1つ存在します。紹介はどの不動産屋でも出来るのですが、管理している不動産屋は1つです。私たちが不動産屋に行って物件を見せてもらう不動産屋はその管理不動産屋とは限りません。
お話している不動産屋さんが、管理不動産屋さんに連絡をし、管理不動産屋さんが大家さんと直接話をする筈です。
そして出来れば、それとともに、「予算が少し足りないけど、すごく気に入って何とかここに住みたい」という雰囲気を伝えておくと良いです。
それを不動産屋さんから聞いた大家さんも、「そこまで住みたいなら少しくらい何とかしてあげたい」「気に入ってくれた人なら大事に使ってくれそう」などと思ってくれる可能性もあります。
4.家賃を値切る
ここからが実際の家賃交渉です。やる事は、具体的な金額の値引きをこちらから提示することです。
と言っても、あなたが大家さんに直接言うのではなく、不動産屋さんに伝えるだけです。
値引き交渉は、家賃を一番最初に行うことが重要です。駐車場、礼金は二の次です。
その理由は、先に駐車場や礼金の値引きを提案し、それが成功してしまったら、もうそれ以上追加で値引き交渉をすることは出来なくなるからです。
正確には出来ないかどうかはわからないですが、まあ難しいでしょうし、調子にのっているような印象になっては良くないですので。
家賃の値引き交渉で1つ迷うことがあります。
- 具体的な金額を提示するのか
- ただ安くして欲しいということだけを伝えるか
ということです。
値引き交渉は、私たち借主が大家さんとリアルタイムで電話で話して行うのではありません。
不動産屋さんを介して、時間差で返事がきます。なので、1回1回のやり取りで「どこまで、どう伝えるか?」が結構重要なんです。
私の考えとしては、具体的な金額を出す方が良いと思います。
その金額は、何となくでもいいので、この位なら妥当かな・・・という金額ちょうどか、それより少し高い金額を提示します。
値引きの希望だけを伝えた場合、結果値引してもらえたけどほんの少しだったとしたら、もっと値引き出来たのではと後悔が残りそうです。交渉としては上策ではない気がします。値引き交渉をするのですから、そこはある意味勝負です。
不動産屋さんを介して行うので、お互い相手の表情や態度が見えません。ある程度推測で行うことになります。そこで具体的な金額提示と共に値引き交渉されることで、「その金額を値引きしないと契約してくれないかな?」という推測を与えることにもなります。
それより低い金額なら応じるという返答がくるかもしれません。その時はそれで仕方ないです。少しでも値引き出来たのですからまずまず。最初に金額提示なしで交渉するよりも、高い金額値引きして貰える可能性が上がると思います。
「家賃を〇〇円ほど値引きして貰えないでしょうか」と不動産屋に伝える。
5.駐車場代を値切る
家賃の値引きが応じてもらえなかったら、駐車場の値引きを提案してみましょう。
駐車場は月額料金ですから、少しでも値引き出来れば毎月のことなので積み重なると大きいです。
なので礼金より値引きの優先順位は上です。
やる事は家賃の時と同じ。この位かなと思う金額を具体的に提示します。
6.礼金を値切る
駐車場代もダメだったら・・・、最後は礼金です。
礼金は一時的な金額なので、値引きしたらそれっきり。それ以上得をする事はありません。だから値切れるものの中で優先順位は最下なんです。
一発のインパクトは大きいですが、積み重なっていくものではありません。ただ、それゆえにサービスしてもらえる可能性も高いとも言えます。
しかも、最近は礼金という物に対する借主の不満もあり、礼金を1か月分だけにしたり、ゼロになっている物件も多いです。なおさら値引きされやすい傾向といえるでしょう。
家賃と駐車場を断られているので、残るは礼金しかありません。やってみるだけやってみましょう。
まとめ
準備をしっかり整えて、家賃の値引き交渉に挑みましょう。
ただ、どんな時も不動産屋さんが大家さんの言動のようなものを伝えてきたら注意を払って。もしかしたら、値引き交渉自体をよく思わない大家さんもいるかもしれません。
そうすると、場合によっては契約を断られる可能性もゼロではありません。
最低限注意だけ払って、家賃交渉を行いましょう。契約さえ出来てしまえば、基本的には大家さんと直に接することはこの先もずっとないので、ご安心を。
家賃、駐車場、礼金の順番で進める作戦でお話しましたが、全部ひっくるめて「出来れば家賃か、駐車場代か、もしなら礼金だけでも値引きしてもらえないですかね~」などと一括で提案するやり方もアリです。
どちらの方が良いかは、あなたの好み、言いやすい方で良いでしょう。私としては、順番に1つ1つ行う方が成功率や、値引き額が高くなると思います。
健闘を祈ってます!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません