持ち家を買う場合の賢い返済計画の立て方はこうだ
持ち家を買う場合に一番大事な返済計画
一戸建てでもマンションでも、家を買うなら当然一番気になるのがこれ、返済計画ですよね。これさえ問題なければ住宅ローンで苦しむことも悩むこともないわけです。
家が欲しくて買うのですから、当然家選びも重要ですが、デザインや機能のちょっとした不満などはある程度我慢できるし、いずれ気にならなくなる事も多い。
しかし、いつまでも続き、その後数十年の生活に一番影響を及ぼすのが住宅ローンの返済という文字です。返済計画だけは失敗してはならず、出来るだけ理想的な形を見出すべきです。
もちろん、完璧なものなどはなく、後から「もっとこうすれば良かったのかも」などと悩んでもストレスになるだけ。しっかり検討して導き出した計画なら、それがその時の最高の決断だったと納得する事も精神衛生のために重要です。
頭金は幾ら必要?
マイホームを買う時、頭金は物件価格の2割くらい必要と言われています。
それよりも少ない金額しかない場合、その段階で購入に踏み切るのは不安ですよね。ではまだ買ってはいけないのか・・・。
必ずしもそうではないのです。頭金が2割貯まるまで待つばかりでなく、そこで購入に踏み切るのメリットもあるのです。
今後繰り上げ返済できそうならば(その余裕があるならば)、頭金がとりあえず1割ほど用意できるなら、すぐ買ってしまうのも1つの手。
頭金を2割まで貯めるのに時間がかかってしまうと、その年数の分だけ購入が遅くなってしまいます。支払い始める年齢が遅くなるとも言えます。
頭金を多く用意出来れば、借入額をその分少なくできる、イコール月々の支払い額を減らせるのですが、支払い額が少ない程完済までの期間は長くなります。
ローン返済終了日が遅くなると、それだけ老後資金の貯蓄への影響や、子供が大学に入る時期との重なるど、何かとリスクが増えてきます。
なので、2つのケースでローンシミュレーションなどのシミュレーションサイトなどを使って計算してみて、どちらがよりお得か比較して決めましょう。
完済までの期間が延びると支払い総額も増加
また同じ金額のローンを組んでも、完済までの期間が長ければ長い程、利子が多くなり支払い総額が増加します。なので頑張って借金返済にお金を回して、早く終える事が住宅ローンの大幅な節約になるのです。
始めは苦しくても、ローン支払い後に楽でより健全な経済状態の生活が待ってることに思いをはせて結婚生活の前半は頑張りましょう!家族がいること、子供の成長という楽しみがあれば、やっていけそうな気がします。
住宅ローンと物件価格の目安
ご家庭の収入と、買う家やマンションの物件価格はご家庭の収入と相談しないとなりません。どうしても欲しいからと言って無理な額に手を出せば、その後数十年もの間苦しい生活を強いられる可能性が高いです。また、支払いけれずに破綻して、手放す事になるリスクさえ出てきます。
そうならないための目安の金額と、ローンの組み方にコツがあります。
家の値段は年収の6倍まで
年収が夫婦合わせて500万円の家庭なら、物件価格の目安は3000万円となります。夫婦がそのままの年収を維持できる前提の計算なので、奥さんがパートとか、辞める可能性があるならばもっと低めに見積もる必要があります。
貯蓄のアリ・ナシも考慮に入れます。
貯蓄に余裕があれば、6割のまま。貯蓄が少ないのであれば、5倍くらいまでで検討しましょう。
毎月の返済額は手取り月収の3割まで
手取りの月収が30万円ならば、その3割は9万円です。
つまり、月々の返済は9万円までに留めておきましょうということ。実際に購入する前に、9万円を支払いに充てても生活できるのか試してみるのが無難です。一度は試しておきましょう。失敗出来ない事ですからね。
今や賃貸が5万円の賃貸アパートに住んでいるのであれば、毎月の生活費からもう4万円抜いて生活してみます。これで大丈夫であれば、毎月9万円の支払いが可能という事です。実際その額で暮らしてみれば、こういう生活レベルになるのかと実感できます。また、1つの基準を体験するので、余裕を作るためにはもう少し切り詰めなければならないとか、生活にこれを求めていたけど諦めた方が良いな等、色んな判断の材料になります。
それでまだ少し余裕がある位でないと、不足の事態に対応出来ないし、繰り上げ返済も見込めません。給料が年齢とともに必ず上がってくれるとは限らないし、何事も少し無難なラインで抑えておくべきです。
ボーナスからの返済は1回10万円以下に
ボーナス1回当たりの返済額を10万円以下にしておけば、たとえボーナスが減ったとしても何とかなります。毎月のやりくりから何とか捻出できそうな範囲にとどめておくのが無難です。余裕がある時は貯めておいて、繰り上げ返済に回しましょう。
返済額のシミュレーションをしてみよう
ローンシミュレーションという無料サイトで、金利のシミュレーションが行えます。
結構細かく設定できるし一瞬で計算してくれます。
返済期間を変更して、少し年数が変わると幾ら利息が減って、毎月の返済額が幾ら減るのかがわかってとっても便利です。ぜひ参考にしてください。
借入額や金利、返済期間などを入力するだけで10秒で試算が出せます。利息総額や利息割合なども出ます。
例えば、1500万円を金利2%で25年ローンを組んで借りると、毎月63500円ほどの返済額で総支払い額は1907万円ほどになります。
1500万円を借りても、400万円もの利子が付くんですね。利子というのは長期に渡ると大きいという事がよくわかります。
主な住宅ローンの例
住宅ローンの例としては主に以下のような物があります。
- 銀行の住宅ローン
- フラット35(住宅金融支援機構と民間金融機関の提携ローン)
- 財形住宅融資
銀行の住宅ローン
最も一般的な住宅ローン。銀行・信用金庫・ろうきんなどのローンです。各金融機関によりその借入条件は異なります。最近では商品も多様化しているので、選択肢が多い分、決断に至るまでの労力も増加する傾向に。
給与の振り込み口座をその銀行にしたり、光熱費の引き落としなどに指定する事で金利を優遇してもらえることも。
フラット35(住宅金融支援機構と民間金融機関の提携ローン)
住宅金融支援機構と民間の金融機関のタッグ商品。
住宅金融支援機構がローンの債権を買い取る形で最長35年の長期固定を実現している。住宅の一定基準をクリアすれば、比較的収入が低い方でも利用できるというメリットがあります。物件価格の90%を上限に、最高8000万円まで借りられます。つまりは、頭金は物件価格の1割必要ということですね。
財形住宅融資
財形貯蓄制度のある企業の社員が利用できる融資制度。なのでこの制度のある企業に限られてしまう。大企業に多いと思います。
5年後の見直される変動金利で、低金利なのが魅力です。
残高の10倍まで借りられます。上限は4000万円。ローン申し込み時の金利が適用され、返済計画が立てやすいのも魅力の1つです。
住宅ローンの支払いが困難になった時は
家を購入する時は問題なかった筈が、何かのアクシデントに見舞われて収入が減ったり、なくなったり、そもそも計画にミスがあったとか、住宅ローンを組む時には思いもしなかった何かしらで返済が上手く行かない事だって起こり得ます。
もし、返済が困難になってきたら、借入先にまずは相談するのが良いです。そのまま放置したり、返済が滞ったままこちらから何もしないのは危険です。それが一番良くないです。
早く相談すれば打つ手があったものも対策が取れなくなり、最悪の場合手放すことになる可能性もあるのです。最悪の場合家を取られ、競売にかけられます。思いのほか安い値段になってしまい、手放すにしても損をする可能性だってあるんです。まさに最悪中の最悪。
早く相談すれば、返済期間を長く変更し、毎月の支払い額を少なくするなどの措置を取ってくれることもあります。支払えない月の返済額を分割納付にしてくれたりもあるようです。
やってはいけないのが、キャッシングなどに手を出す事です。住宅ローンより明らかに高い金利の借金で一時しのぎをするのは間違いです。その場だけ返済に充てる現金が出来ても、それは一時的な話。その後がもっと苦しくなります。だから改善策にはあらないのです。その時になるとつい手を出してしまいがちになるので、事前に間違いだとしっかり認識しておきましょう。
そのためにも無理のない返済計画を立てることが大切です。
しかし、だからといって最長の35年ローンを組むのが良いかというと、そうではないのです。話はそう単純ではないのです。
最初から35年ローンを組むと、いざ返済が厳しいと感じた時に伸びしろがなくて困ります。「でも25年や30年じゃあ短いから厳しいでしょ」と思うかもしれませんが、要は借入金額、つまりは物件価格とのバランスです。
例えば、30年ローンで無理なく買える範囲の家しか立てないというように、範囲を決めることです。ついつい、ローンを組むのが可能だと、もう少し、もう少しとグレードを上げてしまいがちです。これは誰もがありがちだと思うのですが、電化製品がグレード順に並んでいると、「値段がちょっとしか上がらないもう一段階良い製品でもいいか」と1つ上の製品に目がいきます。すると今度はもう1つ上のグレードの製品に目が行き、ちょっとの差だから・・・とそちらに気持ちが行きます。これを繰り返してるうちに、最初に目を付けた製品よりだいぶグレードが上がってしまうのです。
上を見たらキリがないんですよね。だから、範囲は決めた方が良いですよ。その上で、無理のない返済計画を立てましょう。いざという時の伸びしろも残しておけば、より安全性の高い優秀な返済期間といえるでしょう。
まとめ
大事なのは、「借りられる金額」ではなく「支払える金額」。
2割の頭金が貯まるのを待つばかりでなく、早く組んでしまった方が良い場合もある。大事なのは、シミュレーションして金額を割り出し、どちらがよりお得か比較すること。
その他のポイントとしては以下です。
- 物件価格は年収の6倍まで
- 毎月の返済額は手取り月収の3割まで(手取り30万円なら9万円まで)
- ボーナスの返済は1回10万円以内に
持ち家を買うのは一世一代のビッグな買い物です。くれぐれも慎重に住宅ローンを選びたいものです。
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