家を建てるか賃貸か。今の時代ならでは答えに迫ってみる
昭和の頃とは違う、今の時代ならではの一戸建てと賃貸の価値観が必要
永遠のテーマともいえるこの話題に迫ってみたいと思います。
僕が今出している答えも発表していきます。
この記事は少し長めですが、この難しいテーマの1つの解決策を提示するためには欠かせない内容ばかりです。どうか最後までお付き合い頂ければと思います。
物価が安くて日本から遠くないアジアなどへの老後移住なども出てきて、住まいに関する選択肢も感覚も変わってきています。
とはいえ今はまだ、実際に行動を起こしている人は多くはありません。
海外移住なんて、ひと昔前は大金持ちしかなしえなかった事。
それが今は夫婦で月に20万円あればすべての生活費がまかなえてしまうんです。
時代は代わりましたね。
ひと昔前は発展途上国と言われていた国々が発展し、住まいインフラが整ってきたという事ですね。
「そういえばテレビで観た!」というあなた、テレビでやるようになったらもうそれなりになった証拠。
知ってる人はきっともっと前から知っていたはず。
いざという時に現実的な選択肢にできるよう、事前にある程度考えておきましょう。
ということで、本題に入って行きます。
一戸建ての特徴
まずは一戸建てと賃貸を比較する上で、それぞれの特徴を把握しましょう。では一戸建てから行きます。
メリット
- 自分の所有物のための支払い。アパートの家賃のように使い捨てではない
- 自由にリフォームできる(更にお金がかかるけど)
- 住宅ローンさえ終われば住居費ゼロ
分の所有物となるので、住まいを確保しているという大きな安心感が得られます。
わかりやすいのは、もし今急に職を失った時。収入がなくともとりあえず住む家だけは確保されているのです。ただし、ローンが終わっていればの話ですが。
ただし、いつまでも新品同様に保たれるわけではなく、年々老朽化していきます。支払いを続けている間にその価値は下がっていきます。
でも、劣化していても自分のもの。
ローンが払い終わっていれば、いつまで住み続けようが自分次第です。
デメリット
- 住み替えが困難
- 長期のローンを背負う
- 設備の故障・劣化のメンテナンス(維持管理)コストもかかる
- 固定資産税がかかる
- 頭金を貯める必要がある(物件価格の1、2割)
持ち家を買ってしまえば、それが一戸建てだろうとマンションだろうと住み続けなけることになります。
- 近所に変な人がいた
- 近隣トラブルがあった
などしても、大金をはたいて買った以上、そう簡単に引っ越すわけには行きません。何も起きなければ良いですが、そればっかりは住んでみないとわからないですからね。
周辺住人のことを事前に調べるのは非常に難しいですし、住んでみて初めてわかる事もどうしたってあります。
事前に全てわかるという事はまずないでしょう。
もし仮に、どうしてもその家を離れたいと思うまでのことが起きてしまったら、せっかく買った家を売却して出ていく事になってしまいます。
売却しても、購入金額と同じ額では売れません。という事は損をするわけです。
賃貸に住んでいたら掛け捨ての家賃を払っていたのだから同じ、と考えるのは安易です。売却金額が上手いこと、比較的高い金額で売れればそうかもしれません。
でも実際は、そうならない事の方が多いでしょう。
中古で売る場合は確実に下がるし、建物の価値は目減りするのです。不動産屋に仲介料も取られます。
また、土地の値上がりに期待する事も難しいです。
バブルの頃は値上がりへの期待は大きかったですが、今は全国的に見ても値下がりしている地域の方が多いと言われてます。
同じ価格で現状維持だとしても、それはある意味値下がりです。物価は上昇していくのに、現状維持していたら相対的に見て値下がりしている事になりますからね。
このように、持ち家を買うことは、含まれるリスクで考えたら、賃貸よりも明らかに大きいという事は理解しておいた方が良いでしょう。
不動産には「住む場所」という、特有の要素があるがゆえに生じる問題です。
賃貸の特徴
では今度は賃貸の特徴です。
メリット
- 気軽に住み替えられる
- 家族構成の変化に合わせて住み替え可能
デメリット
- 家賃の掛け捨てが続く
- 人生の最後の方でも家賃が必要なため、老後資金の生活資金が高めになる
賃貸のメリットは何といっても、住替えがしやすいことです。
耐えがたいご近所トラブルが起きたり、虫が出るなどの問題が起きたりしたとします。
持ち家だったらそれでも我慢して住み続けなければなりません。引っ越すことも出来ますが、先ほど言ったように大きな損失になります。
その点、賃貸ならば持ち家を引っ越すときに比べれば、断然安く済みます。精神的なショックも比較的小さいです。
子供が大きくなって手ぜまになってきたら、少し広い家に引っ越すということもできるのです。
また、住んでいると自分たちの好みや優先することが変わってきたりもしますしね。
この、手軽に引っ越せるという点が、賃貸の最大のメリットと言えます。
その代わり、どれだけ家賃を長年払い続けようとも、一向に自分の所有物とならないこと。これが最大のデメリットです。わかり切ったことですけども。
持ち家の購入時にかかるお金
持ち家を買う時には、賃貸アパート・マンションではかからない経費がいくつもあります。
これは金額的な話ではなく、種類のことを言ってます。これから話すのでお読みください。
物件(家やマンションなどの不動産)の購入代金だけではないんですよね。これを含めないで考えては当然計算違いになってしまいますので、きちんと把握しておく必要があります。
- マイホームの取得にかかる費用
- ローンにかかる諸経費
- その他
大きく分けてこの3種類があります。
マイホームの取得にかかる費用
- 登記手数料
- 仲介手数料
- 不動産取得税
- 印紙税
- 登録免許税
仲介手数料は賃貸でもかかる費用です。それ以外は持ち家購入に独特の出費です。
ローンにかかる諸経費
- 融資手数料
- 登記手数料
- 印紙税
- 登録免許税
- 保証料
- 火災・地震保険料
保証料は、内容は違いますが賃貸でもかかる物件もあります。火災保険とセットになっている場合も。
火災保険は住宅ローンを組む際には、加入する事が義務付けられています。なので火災保険だけは必須です。ちなみにこれは賃貸でも必須です。あとは地震保険や家財保険を付けるかどうか。地震保険は付けたい所ですが、家財保険まで掛ける人はそう多くはないと思います。家財の新しさや価値によっても考えたい所です。
その他
- 引っ越し代
- 家具・家電の買い替え
- 光熱費の増加
家を買った時に合わせて買い替える家具・家電を買い替えるという事は結構あると思います。
何かしらが買い替え時期を迎えそうなものがあったり、大きい物を運ぶならこの機会に買い替えを、となるパターンが多いです。
見落としがちなのが、電気代が微増すること。
マイホームを持つと基本的にはそれまでより広くなります。という事は電気代が増加する可能性が高いです。その辺も一応計算に入れておきましょう。
- 固定資産税
- 家のメンテナンス費用
- 設備の修理・買い替え(給湯器、エアコン、網戸)
賃貸ではこれらが発生せず大家さん負担のところもあれば、物件によっては積み立ての形で負担させられる事もあり様々。
しかし、当然ながら、賃料はそれを考慮して設定されています。
そうじゃないと大家さんがもうからないですからね。賃貸経営する意味がなくなってしまいます。
まあ、不動産経営の仕組みはそう単純じゃないですし、入居者が入れ替わる時に大きく利益が出たり(礼金や契約料)などもありますが。
持ち家を所有するという事で、購入代金以外にこれだけの費用が掛かる可能性を念頭に置いておきましょう。前もって準備しておかないと、いざ必要になったときに対応しきれないと思います。
家を購入する際に、頭金を差し引いてもなお残る貯蓄がある程度あるのが理想です。
生活の中で突発的に発生する出費はありますからね。急なケガや病気など。盲腸とか尿路結石とかは手術が必要になります。その他にも持病が表れるかもしれません。ケガ・病気だけとは限らないですし。
「こんな事が起きるとは夢にも思わなかった・・・」ではなく、人間なんだから色々起こり得る事がありますよね。つまりは想定出来ることですから、ある程度の余力(資金力)は持っておかなくてはなりません。
生活費とローンで収入ギリギリになるような計画は、破綻するリスクがそれなりに大きいので良くありません。多分失敗するでしょう。もしギリギリの計画なら、貯蓄がある程度多めにあるなど、何かしらの余白が必要です。
一戸建てと賃貸を比較して
持ち家があれば、賃貸のように家賃を払うのをやめたら住みかを失う、という事がありません。これが持ち家の大きなメリットですよね。
持ち家だから、急に収入を失っても、とりあえず住みかだけはあり、後は食べ物さえ手に入れば生きながらえることは可能です。
ただしそれは、住宅ローンの支払いが終わっていたらという条件付きの話。
ローンが終わってなければ、賃貸で家賃を支払っているのと同じです。
近年で家を買うと言えば、35年ローンを組むのが一般的。しかも、定年後もそれが続くという人も聞きます。つまりほとんどの人は定年まで払い続ける。上手くやれば繰り上げ返済で定年前に完済できる方もいます。
それに、晴れて支払いを終えて完全なる自分の所有物になった頃には購入から30年以上経過し、建物の資産価値はほぼゼロ。不動産としての資産価値を持つのは土地だけとなっているおうちがほとんどでしょう。
マンションなんて、始めから土地の価値を持たないのでなおさらです。だから私は、マンションはお金に余裕があるお金持ちの贅沢品だと思っています。
賃貸は人の物を借りている状態。
なので設備の故障は老朽化によりリフォームなどの費用は自己負担はありません(中には助を求めてくる大家さんもいるらしいです。けど稀でしょうし、要求されたから払わないといけないとも限りません)。そういう点は賃貸の良い所。
しかし、そういう費用がかかる事も踏まえた家賃設定になっているはずなので、得している訳ではないですよ。
ただし、かかる費用がわかりやすいので、先の人生設計が立てやすいとも言えます。少なくとも持ち家を購入するときに比べたら簡単です。
入居時には、礼金・敷金・仲介料の3つを支払います。敷金は退去時の修繕など必要なものに充てられて残りは返ってきます。礼金と仲介料はただ払って終わりです。
- 家賃(共益費・駐車場代を含む)
- 火災保険
- 更新料
これらだけ支払っていれば後は出費がないという、わかりやすさが良い点です。
持ち家はそうはいかず、全てを自分で対処しなければなりません。
持ち家だけが持つリスクという物があります。私は以前は断然持ち家派だったのが、今は賃貸派にシフトしました。その理由が、これから挙げることです。これらの懸念から、私は持ち家を買うことがとても怖いのです。怖いというか、経済的損失を被るリスクが高い割りに、持ち家を買う金額が高いと思っているのです。これらのリスクは家を買う決断をする前にきちんと把握しておいて欲しいです。
持ち家だけに存在するリスク
ひと昔前なら特定の地域以外は考えなくて良かった要素が、今や日本の多くの地域で考慮に入れないといけなくなっています。
それは、自然災害です。
日本は昔より災害の頻度と被害の大きさが増しています。めったに起きない筈だったのものが、いつ自分の身に降りかかるかわからないというイメージにまでなっています。
- 地震
- 津波
- 台風
- 豪雨による浸水
僕が義務教育を受けていた頃の社会科では、日本列島は、温暖湿潤気候でした。それが今や亜熱帯気候だそうです。ご存知でしたか?
- 年間平均雨量・気温
- スコールが降る
など、「亜熱帯気候の条件を満たしている=亜熱帯気候である」という事です。
災害で損害が出ても、その損害額の全てが保険でまかなわれれば良いのですが、そんな事は絶対ありません。保険下りても全部を補填してくれない事も多々考えられます。それに、全壊の判定を受けても、支給された保険額だけで災害に遭う前の生活状態を完璧に復元できるわけもなく、色々と自己負担金が発生するのは容易に想像できます。
そうなると、いくら保険が適用されると言っても、無出費ではいられない。家の建物自体や、それにまつわる設備や屋根、庭の植物など。そういう物でお金がかかる可能性がある。
地震保険だけでなく損害保険をかけていたとしても、その適用範囲も問題です。適用が広い保険プランに入れば、保険料が高くなります。そこまでかけているご家庭は稀でしょう。
賃貸ならば、所有は借主ではないので、災害による破損で大金を使うハメにはならないでしょう。災害の被害を受けるのは主に物件の持ち主、大家さんです。
修繕に時間がかかるなどあったとしても、引越してしまう選択肢もあるのです。
これが家を建ててしまえばそうはいかない。持ち家は一世一代の大事な所有物です。大切な財産で、そこを捨てるなんて出来ません。出来たとしても買った時より大幅に低い金額での売却になるので、大損する事になります。
修理しても大出費、手離しても大損。それが一戸建てを立てるという事。マンションにしても、賃貸でなく所有なら同じようなリスクがあります。
しかも、マンションを買うという行為について言えば、土地がないので、建物が経年劣化して価値がすり減っていけば、最後にはほぼ何も資産が残りません。
だから、「マンション買う」ということ自体がどうなのかな~と疑問に思うのが私の考えです。
まあ、考え方は人それぞれ。マンションが好き、高層階が好きという人だって居られるし、色んな考え方があります。私は決して否定している訳でもないし、今のところの私の考えがこうだというだけで、いずれ変わる可能性もあります。
まとめ
- 結局、持ち家を買うのと賃貸住まい、どっちがいいの?
- 持ち家を買うべきなの、買わないべきなの?
というテーマに、僕なりの答えを出そうと思います。
あらかじめ言っておきますが、そもそもが非常に難しい問題であり、個人の考え方や家族構成、状況の影響をどうしても受けるので、絶対的な正解は存在しないという事はわかってください。
住処に何を求めるか、優先するかでも変わりますし。
で、私の現時点の考えを述べます。
私は経済性しか考えていないと言ったら言い過ぎなのですが、満足感とか優越感とか見栄にはそこまで興味がありません。
以上を踏まえて・・・。
とりあえず家は建てない。
賃貸暮らしで定年くらいまで過ごそうと思います。
しかもなるべく安いところで。
それかもしくは、小さい安い中古住宅でも買うか。
荷物は少なく、家は狭く。
ミニマリストじゃないですが、余計なものを持ちたくないし、掃除するスペースも少ない方がいいです。
そして、定年間際に、夫婦2人で死ぬまで住める終の住みかを持ち家で買うか、養護施設に入るか、それとも物価の安い海外移住にするか、など、その時の夫婦の考えで決めれば良いと思います。
現時点で30~40代、または50代の途中くらいの年齢の方は、まだ決めかねていても良いと思います。定年後を過ごせる施設のサービスなどは今はまだ変遷期。これからどんどん増えていき、新サービスも出てくるでしょう。
だから、家をローンで買って人生を縛ってしまうより、それと同じくらいの貯蓄だけしっかりしておき、まあ家賃を払うので同じくらいは貯められないにしても、とにかく貯蓄をしっかり行う。そして、定年の頃になったら取れる選択肢に備えておくというのが良いのかな、と思っています。
若い内は、なるべく安価な賃貸で暮らす。
そして老後は、夫婦2人が住めるだけの小さい家をかえば良い。もしかしたらお子さんたちと二世帯住宅なんていう案だってあるかもしれません。
どういう状況になるのかわからないのに、新婚の早い段階で決めてしまうのもリスクが大きいように思うんですよね。
下手したら、定年の頃にもう一度家を買わないとならない、なんて事だって考えられます。実際、そういう人もいますからね。
お金持ちだから家を2回買うのではなくて、必要に迫られてそうなったという。
息子夫婦に同居してもらい、自分たちと息子夫婦の二つの家族で支払いを行うという形を取ったり。そうなると、息子夫婦も老後を迎えた段階で、自分たちの息子たちの力を借りないとならない状況になるかもしれません。
大金がかかることは、人生をしばる要素になりやすいんです。
何でもそうですが、出費はコンパクトに、安く、小さく、身軽にしておくのが、今の安定感のない時代を生きる上では、無難で賢い戦略と言えます。
昭和の国民総中流社会や、終身雇用、年功序列はもうないのですから。
私の考えをまとめます。
- 若い内はなるべく安い賃貸に住む
- 出来る限り貯蓄する
- 定年が近づくにつれ、終の棲家の選択を突き詰める
- 夫婦二人で暮らすに必要十分な住みかを得る
これが賢い選択のように思います。
早めに家を買えば、賃貸に費やす掛け捨ての家賃に回すお金が減り、家を買うお金になるから得なように見えます。
確かに、何のご近所トラブルなどの問題も起きず、家も長持ちしてくれればそうもしれない。
でも、そうとは限りません。
昨今の一戸建て住宅は、昔のように良い材料で出来ている物ばかりではなく、50年とか持たないという話も住宅関連の方の口からよく耳にします。先のことは、本当の所はわからないんですよね。
だから、無難戦略です。住む家に贅沢をしている余裕はない、そういう時代だと思っています。
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