住宅ローンの返済計画を少しでも節約する方法まとめ
住宅ローンの返済額を節約するために出来る事は全てやろう
返済額を少しでも下げたいなら考えて行くべき方法を見て行きます。減税などの助成もそうですし、返済計画の立て方のコツとか、こうすれば利子が少なくなるなど、自分たちで出来ることまで、あらゆるジャンルで行っていきましょう。
ここではローンを組む段階で出来る方法のまとめです。
ローンを組んだ後に出来ることもあります。こちらも重要で、別記事にてまとめています。
ローンを組む時に返済期間を1年でも短くする
まずはこれです。かなり重要です。
ローンを組む時、月々の返済額が高いと生活を圧迫して追いつかなくなるのではという恐怖から、一応長めに組むのが人間心理というもの。しかし、返済期間を1年短くするだけでも支払い総額は大幅に減るんです。だから1年でも返済期間は短い方が良いです。たった1年で充分な効果が得られますから。その縮めた1年間、毎月増えた支払いの増加分より減ります。
下の表は、1年縮めた場合、月々の支払額・支払額総額がどれだけアップするかを比較したものです。例として3000万円を金利2%で借りた場合としています。
計算がややこしいのと、わかりやすくするためにおおよその額にしています。
返済の期間 | 1ヵ月の返済額 | 増加額 | 総支払い額 | 減った額 |
---|---|---|---|---|
35年 | 99400 | 0 | 41738500 | 0 |
34年 | 101400 | 2000 | 41371200 | 367300 |
33年 | 103500 | 2100 | 41005000 | 366200 |
32年 | 105800 | 2300 | 40641000 | 364000 |
31年 | 108300 | 2500 | 40279000 | 362000 |
30年 | 110800 | 2500 | 39907800 | 371200 |
1年短くすると、36万円も支払い総額が変わります。でも、1ヵ月の支払い額は2000円ほど増加するだけ。これだったら絶対1年短くした方がいいですよね。5年ちぢめたら180万円ほども減ります。
上の表の一番右の列を見ると、1年縮めるごとに支払い総額が36万円くらい減っているのがわかります。
左から2列目をみると、1年返済期間を縮めるごとに月々の返済額が2000~2500円くらいずつ増えていきます。5年縮めると月々の返済額は1万円以上増えるので大変ですが、それで180万円減るなら考えてみたい所ですよね。
こういう事実もわかっておきたいところです。
ローンを組む時の相談でも比較表は出るでしょうが、やはり前々からわかってて頭に刷り込まれているとその時になって知るのとでは、最終的な判断に違いが出るかもしれませんからね。大事な話は余裕を持って考えた方が何かと安心です。
しかしながら、一応返済期間を長めに組んでおいて、余裕があったら少し貯めて繰り上げ返済をすれば良いのでは?その方が無難では?とお思いになるかもしれません。確かにその通りです。理論上はそれが正しい。
しかし、我々人間はそう理論通りにことを運ぶのは簡単ではありません。多少の余裕があっても、「普段切り詰めてるから少し楽しなきゃ、自分へのご褒美だよね」とか色々な感情が混ざり合って、つい使ってしまう可能性が高いです。使ったつもりはなくてもいつの間にかないのがお金ですからね。
という事で、始めから幾ら支払うと決まっていた方が良いんです。しかし、無理な計画も禁物です。バランスが非常に難しいんですよね。住宅ローンだけは本当に慎重な検討が必要なんですよね。
ボーナスを少しでも返済にあてる
ボーナスがあるなら、たった1年あたり1回だけで、5万円でも良いので返済に回しましょう。そうすれば返済期間が5年前後短くできて、支払い総額も150万円前後減らせます。これって大きいですよね。目安のために金額を挙げましたが、借入額と返済期間で変わるのであくまで目安です。
下の表は、2000万円金利2%で借りた時のおよその試算です。例によって計算はアバウトですが、だいたいこの位です。
ボーナス払いの有無 | 1ヵ月の返済額 | 総支払い額 |
---|---|---|
なし | 65000 | 2780万円 |
あり | 65000+ボーナス45000円(年1回) | 2638万円 |
同じ金額を借金しても、早く返すだけでこうも変わるんですよ。これが借金という物の仕組みです。裏の顔でも何でもないんですよ。借金が持つ当たり前の性質なのに、よく理解していない方も中にはおられるのが現状です。
今の時代、ボーナス削減なんてよくある話。ボーナス支払いの額は低めに設定しておくのが無難です。
- 会社の業績不振
- 不正発覚
なんて事がないとも言えません。今の世の中どこの会社で何があるかわからないという感じです。
ボーナスが激減やゼロになる事も考え、毎月の家計で何とか支払っていくのをベースに考えておくべきです。5万円位から、多くても10万円以下くらいに抑えておきましょう。5万円なら1ヵ月あたり4500円くらい捻出すればまかなえる額ですから。
ボーナス払いも見逃せない、住宅ローンの節約、期間短縮方法の1つです。覚えておきましょう。
繰り上げ返済のポイント
金融機関により、繰り上げ返済の最低額は異なります。また、繰り上げ返済には手数料がかかり、その額も異なります。なので住宅ローンを借りる金融機関の選択肢がいくつかある場合は、必ずチェックしましょう。
今はインターネットの時代。窓口で行えば手数料が1万円以上かかるのに、インターネットからだと無料の金融機関もあります。すごいですよね、この違い。知ってるか知らないか、また、知っていたけどその時には忘れたた、などで1万円以上のお金が変わるんですから。多少の面倒さはあるものの、それだけで1万円以上得するならやりますよね♪
住宅ローンを組む前に、以下を確認しておくのがポイントです。
- 各銀行の繰り上げ返済の最低額
- インターネットで繰り上げ返済手数料無料の銀行
住宅ローン支援制度は使いつくす
住宅ローンには国や自治体の優遇制度などがあるのが助かるところ。使える支援は全て使わなかったら勿体ないです。余す事なく使い切りましょう。
- 住宅ローン減税
- すまい給付金
この2つです。住宅ローン減税が、高額納税者が多額のローンを組むほど得する仕組みです。一方、すまい給付金は、年収の低い人に手厚いという特徴があります。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)
似た呼び方が幾つかありますが、住宅ローンの支援措置は種類が多くないので、全部これを指している筈です。正式名称は、住宅借入金等特別控除と言います。
知らない人は居ないほどに有名な減税措置です。住宅ローンがあると所得税・住民税が控除されるというシステムです。
10円間にわたって、年末時点で、その年のローン残高の1%が支払った所得税から控除されます。
要件
- 10年以上の住宅ローン
- 自ら所有し居住する住宅
- 床面積50㎡以上
適用される住宅
- 家を新築する
- 新築・中古の住宅を購入する
- 増改築・リフォーム
期限
居住開始日が平成33年12月31日までにある。
新築の場合のみならず中古でも対象となりますし、増改築やリフォームも対象です。
消費税が8%に上がったのと時を同じくして、控除の最大額も2倍に拡大され400万円となりました。長期優良住宅、低炭素住宅の場合は、最大控除額は500万円となり、さらにお得です。
消費税が10%に上がった後も、金額は同じです。
注意して欲しいのが、必ず、またはほぼ400万円くらいの減税を受けられるのではないという事です。最大値であって、そうなる人もいるという事。標準的なケースでは、200万円くらいになるようです。それでも凄く大きい額なので、必須の減税対策ではあります。
しかし、ガッカリする事なかれ。この制度が素晴らしい点が1つあります。
それは、「所得控除」ではなく「税額控除」だという点です。
ややこしいのでご説明します。
簡単にいうと、通常言われている控除よりも断然大きい額が戻ってくるという事。
普通、50万円控除されると言っても、それは課税額が50万円低くなるという意味で、実際には50万円よりかなり安い金額しか戻ってきません。
しかし、住宅ローン減税は、課税額を減らすのではなく、計算後の税額から、そっくりその金額引きますよ、という仕組み。
だから、50万円控除されると言ったら、50万円が返ってきます。この違いは半端ないです。
そしてもう1つ利点があります。
この住宅ローン減税、所得税のみならず、住民税も控除される場合があるんです。残念ながら必ずではないです。そういう場合もあるという事。
じゃあどういう場合かと言うと、控除する額の方が所得税の額より大きかった場合、つまり所得税を控除してもなお控除額に残りがある場合は、住民税からも控除します。
ただ、住民税は全て控除されることはなく、上限があります。
その金額は、
- 13万6500円
- 課税所得の7%
のいずれか小さい方となっています。
その年の住民税が戻ってくるのではなく、翌年分が控除されます。1年遅れという事になります。
すまい給付金
消費税が8%に増税された後に持ち家を買った人に、現金が支給されるという素晴らしい制度です。
- 年収が低いほど給付金額が高い
- 中古住宅も対象
- 年収の上限額がある
という特徴があります。
消費税8% | 消費税10% | ||
---|---|---|---|
収入 | 給付額の上限 | 収入 | 給付額の上限 |
425万円以下 | 30万円 | 450万円以下 | 50万円 |
425超~475万円以下 | 20万円 | 450超~525万円以下 | 40万円 |
475超~510万円以下 | 10万円 | 525超~600万円以下 | 30万円 |
– | – | 600超~675万円以下 | 20万円 |
– | – | 675超~775万円以下 | 10万円 |
消費税が10%になってからの方が条件が緩くなっていますね。ちなみに消費税10%導入は2019/10/1からです。
消費税の10%への増税については以下の記事をご確認ください。
中学生以下の子供(無収入)が2人いる場合、給付額は都道府県民税の所得割額や家族の人数とか、奥さんの働き方により変わります。
このすまい給付金と、上の住宅ローン減税の両方を使えば、増税後も上手に負担を減らす事が出来ます。
例えば、2000万円の家を買った場合、消費税が8%、10%での金額は以下です。
- 2160万円
- 2200万円
10%になる前と後では40万円の差ですね。
しかし、すまい給付金の額は上の表の一番上の段で、最大額い20万円の差があります。最大額貰えれば、差は20万円までちぢまります。
参考:国土交通省 すまい給付金
まとめ
ここで挙げた住宅ローン返済の節約方法をまとめます。
- 返済期間を1年でも短くする
- ボーナスを年1回5万円でもいいから返済にあてる
- 住宅ローン減税を利用する
- すまい給付金を利用する
この4つが主な節約方法でした。
また、繰り上げ返済の時にインターネットからだと返済手数料が無料になる銀行や、繰り上げ返済の最低額を少なく設定している銀行なども事前に調べておくと良いというのもありました。
ご家庭により事情は様々だと思いますが、慎重に検討した上で組むようにしましょう。一生で一番大きな金額の買い物なのですから。
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