夏場に食中毒が起きやすい意外な食べ物

2018-06-28

それ間違いかも?!意外と知らない食中毒の常識

夏場になればどこのご家庭でも気になる食中毒。誰もが注意を払っている事でしょうが、問題はそれが正しいのかどうか。

常識と思っていた事が実は間違いだったなんて事が実際にあるんです。たとえ専門家がテレビで言っていた事すらそうです。科学は日々進歩しており、ここ数年の医療・栄養学の変化は顕著ですよね。毎年の繰り返し役に立つ知識なので、早いうちに正しく理解して覚えてしまいましょう。

お弁当に焦点をあてた食中毒の対策についてはこちらの記事にまとめています。

まずは夏になればどこのご家庭にも必ずあるであろう、この飲み物から・・・。

 

麦茶は悪くなりやすい

木のテーブルに置かれた麦茶が入ったビンとグラスと植物

夏の定番の飲み物、麦茶♪
どこの家庭でも夏だけは麦茶がいつでも冷蔵庫で冷えている事でしょう。

しかしこの麦茶、実は夏には向かない飲み物です。
麦茶よりは緑茶。夏こそ緑茶メインにして、夏以外の季節で麦茶を飲む方が食中毒の観点から言えば正しいのです。

それはなぜか。
麦茶は緑茶に比べて菌のエサとなりやすい成分であること、そして緑茶はカテキンによる抗菌作用があるので菌の繁殖を防ぐ効果を持つんです。麦茶にはその抗菌作用がないんですよね。

つまり、麦茶の方が緑茶より食中毒菌が増殖しやすいのです。

実際、同じ容器で麦茶と緑茶を作った時、麦茶の方はフタと本体の接続部が生乾きと似た臭いがする事が多いです。作ってからほんの2日くらいでです。でも緑茶の方は臭った事はほとんどありません。

食中毒的の観点から言えば、麦茶が夏に向かない、なんて意外ですよね。まあ2、3日中に飲み切っていれば大丈夫でしょう。

容器は複数用意して、飲み切ったらさっさと洗って早めに乾燥させ、もう一つの容器で新しいのを作りましょう。このサイクルで麦茶を回していきましょう。

ダメなのは、1つの容器の麦茶を飲み切った時に、それを洗って濡れた状態のまま新しい麦茶を作って冷蔵庫にしまう事。これだとその容器はずーっと濡れたままになってしまいます。

一旦乾燥する事でも、ある程度殺菌されます。菌は水がないと生きられないもの。完全に乾燥したところでは菌やカビは増殖しないのです。

大事なポイントだけまとめます。

  • 麦茶は意外と悪くなりやすい
  • 緑茶はカテキンの抗菌作用が菌が繁殖しにくい
  • 容器は1度使ったら洗って乾燥

 

水出しと煮出した麦茶

ざるに麦茶のパックが15個ほど2列に並べられた画像

麦茶の作り方って、煮出した麦茶とパックを水に入れて待つだけの水出し麦茶と2種類ありますよね。今はほとんどが水出しでしょうけど。楽ですからね。

で、この2種類の麦茶の作り方、どちらが悪くなりやすいのか。これが今回のメインテーマ。

 

煮出した麦茶と水出し麦茶を比べた実験

以下の2つの麦茶、どちらが食中毒菌がより増えたのはどちらでしょう?

  • 煮出して常温になるまで放置し冷ましてからビンい移し冷蔵庫にしまう
  • ビンに水と麦茶のパックを入れ、冷蔵庫にしまう

2018/6/9の世界一受けたい授業で放送された実験です。さあ、煮出した麦茶と水出し麦茶、悪くなりやすいのはどっち?!

答えは、なんと煮出した麦茶です。

煮沸殺菌してるから、煮出した麦茶の方が長持ちすると思いますよね~。それが違うなんて驚きです。

 

実験結果によると、2日目まではどちらもあまり増殖せず。ところが3日目から煮出した麦茶の方が急増

一方、水出しの麦茶は、一日遅れて4日目くらいから急増をはじめ、どちらの麦茶も増殖のスピードは同じくらいでした。

煮出した麦茶の方が急増ゾーンに早く入った分、結果的により早く菌の数が危険なボーダーラインを超えてしまいました。

おそらく、スタート時にすでに煮だした麦茶の方が菌が多かったのですが、最初の方は菌の数が少なく、増殖してはいるものの、数日経過して最終的に危険域まで増殖した時の数から見たらごくわずか。

厳密にいえば煮だした方が多かったけど、全体としては誤差みたいな量ですね。

最初の方は微かな差だけど、菌の増殖は倍々ゲーム。最初の微差が後に大きな差を生んだわけです。

 

煮出した麦茶が悪くなりやすい理由

水だしの方はビンも麦茶パックもそのまま入れるから、菌の繁殖が速くて、煮出した麦茶の方は一旦煮沸してる分殺菌されて菌が少ないから良いと思いますよね。

煮出した方が速く増殖した理由は、煮出してから冷めるまでの時間にあります。

沸騰した時は100℃ですが、そこからゆっくり温度が下がっていき最終的に室温の25℃くらいになりますが、問題なのはその途中の段階。

90℃、80℃、70℃と下がっていき、その後の30~40℃くらいが菌が一番繁殖しやすい温度なんです。この時に一気に菌が増殖して、冷蔵庫にしまわれた時点で比較して、水出し麦茶より菌が多かったという事です。

煮沸しているからと言って、菌が100%全て死んだとは限らないし、空気中とかどこでもいるので、後から入ったりもしますからね。

 

ポテトサラダは非常に悪くなりやすい

メインディッシュの脇の添えられた名わき役、ポテトサラダ。その美味しさゆえ、時には主役ばりの存在感を放つ、みんな大好きポテトサラダ♪

でも、残念な事に実はポテトサラダは悪くなりやすい食品なんです。菌が繁殖する要因をいくつも持ち合わせた食べ物なんです。

白い楕円形のボールに盛られた大量のポテトサラダとレタスの画像

 

根菜類であること

まず根菜類である事です。根菜類は菌が繁殖しやすい食材です。更にじゃがいもは元々水分が多い食材なのでなおさら。多分理由は、根菜は土の中で育つので、土の中にはLPS(リポポリサッカライド)など多数の菌がいますから、それが移りやすく、多くの菌を含んでいるんだと推測します。実際レンコンなどはLPSが多い食品として有名です。このLPSを体に良いとする学者もいますし、歯周病や様々な病気の原因になると言う医者もいます。どうも後者の方が正しいというか、両方一理あるのかもしれませんが、有害であることを優先的に対処した方が良い気がします。つまり、LPSは取らない方が良いということ。あくまで私の現時点での考えですけどね。

生の食材も多く使う事、水分が多いこと

ポテトサラダには具としてキュウリや玉ねぎなどを入れますが、どれも生の状態で刻んで入れます。そして水分も多い
生という事は加熱殺菌されていない状態で使うという事。水分が多いという事は菌が繁殖するための条件の一つが用意されているという事。菌が繁殖するのに必要な条件は3つで、温度、水分、栄養です。

混ぜ込む料理であること

そして、つぶして、ねりねりするという作り方なので、菌が内部に混ざり込みやすいんです。
ハンバーグなんかもそうですね。ステーキや焼肉にくらべ、細かくミンチされてる分断面が多くなり、つまり空気と触れる面積が多くなり、さらにそれを混ぜ込む料理なもんだから内部に菌が入りやすいです。

言い換えれば、表現悪いけど、菌がいっぱいつくようにしてそれ内部に練り込む調理法!という事に・・・。

作る工程が多いこと(常温に置かれている時間が長いこと)

そして、ポテトサラダは作る時の工程が多い事がまた問題です。

何手間もかかるという事。という事は調理時間が長くなり、その結果常温に置かれている時間が長くなってしまいます。だから出来上がるまでに菌がより繁殖しているメニューということですね。

手が触れる事が多いのも良くありません。手が直接触れると食品に菌が付きやすいんです。

ポテトサラダを作る時って、じゃがいもを茹でてる時は加熱なので良いのですが、問題はその後。
皮をむき、冷まし、つぶし、きゅうりや玉ねぎ、にんじんなどをみじん切りやスライスにして、じゃがいもと混ぜ合わせる、という長い工程がかかりますよね。

じゃがいもの冷まし方も常温放置だと30~40℃という菌がもっとも繁殖しやすい魔の温度帯を通ることになります。なので流水で粗熱を取り、その後水や氷水で一気に10~20℃以下くらいまで冷ましましょう

 

調理器具は清潔に

包丁、まな板、ヘラなどの直接食材に触れる調理器具は、夏の間だけでも頻繁に殺菌しておきましょう。方法としては熱湯か薄めたキッチンブリーチ(台所用漂白剤)です。熱湯でもほとんどの菌が死滅しますし、ブリーチなら熱湯でも殺菌しにくいノロウイルスなどもやっつけられます。

熱湯や薄めたブリーチをただかけるのではなく、つけ置きしましょう。熱湯なら10分くらい、薄めたブリーチなら30以上。

混ぜる時も手で直接混ぜ合わせるなどは最悪なので、キレイに洗ったヘラやスプーンなど調理器具を使って混ぜましょう。出来上がったらずっと冷蔵保存にして、せいぜい次の日のうちに食べるくらいにしておくのが無難ですね。保存する容器もサッとでもいいから殺菌されていると完璧です。

熱湯は10分くらいはつけ置きしましょうと言いましたが、2分くらいもやればだいたいの菌は死滅します。でも念のため長めに、5~10分くらいやっといた方が良いだろうという考えです。耐熱性の容器ならば、60℃以上のお湯に適当に2、3分くらい付けて、冷たい水でゆすいだらを完全にふき取ってから使いましょう。さらに完全に乾かしてから使えば完璧です。

お弁当に持って行くとなるとちょっと心配になっちゃいます。上記のことに気を付けた上でちゃんと冷蔵保存しておいたら、次の日くらいはお弁当に入れても大丈夫でしょう。

 

いや~、ここまで嫌な情報の連続でしたね。ポテトサラダ好きの私としては自分で書いててゲンナリしてきますが、悪い話ばかりじゃありません。

ポテトサラダの持ちを良くする方法があるんです。それはある物を入れるんですが、され、そのある物とは次のうちどれだと思いますか?

  1. お酢
  2. カレー粉
  3. パクチー

この問題と解答は、2018/6/9の世界一受けたい授業で実際に出た物です。

この時の番組での正解は、カレー粉です。

カレー粉に含まれるターメリックには防腐効果を高めるクルクミンという成分が入っており、これにより持ちが少しよくなるよ、ということ。

しかし、効果はそれほど高くないと思います。カレー粉を入れたからといって、悪くなりやすい要素をいっぱい持つ食品に対して、そんなに効果が期待できると思います?出来ないですよね、きっと。

もし、とても効果が高いなら、カレーは悪くなりにくい食べ物という事になります。が、実際はカレーは悪くなりやすく注意が必要とさかんに言われている食品ですよね。

実際カレーで食あたりを起こした事はないですし、レトルトカレーなんて物も存在しますが、危険性が叫ばれていてその真偽がハッキリしてない段階では注意しておくのが無難です。レトルトカレーは密閉された食品ですから、缶詰と同じで悪くなりにくいんでしょうけどね。

つまり、カレーもポテトサラダも「日持ちしない物」と考えて早めに食べきる。

ちなみに、先ほどの答えの選択肢の1つ、お酢ももちろん菌の増殖を抑える効果はあると思いますが、酸っぱくなって味への影響が大きいですよね。その味があなたの好みであれば、お酢を入れる方がカレー粉より持ちは良くなると思います。

 

お腹を壊さなければ問題なかったと言えるのか

ところで、以前から私が疑問に思っている事なんですが、お腹を壊したり、嘔吐や下痢しなければ食中毒菌はなくて問題なし、と言っていいのでしょうか。私はそうではないと思っているんです。

そういう症状にいたるまで行かなかったけど、菌が体内に入れば体は私たちが気づかない内に戦ってくれている筈です。すると知らずの内に体は戦いでエネルギーを消費し、自律神経が疲れたりバランスを崩したり老廃物が体内の色んな所に増えたり、活性酸素が出たりして、体はダメージを受けわずかながら体調を崩しやすい状態になっているかも。

体調を崩すという事は、最近話題になってる慢性炎症につながっていくとも考えられるんです。体のどこかに炎症が起きたり、老廃物が蓄積したり、動脈硬化を起こしやすくなったり、ガン細胞がわずかに出来やすくなったり、そういう事にもつながっていく可能性はあります。長い目で見たとき、将来ずっと長生きして健康な状態をキープするためには、こういうちょっとした体の異常もなるべくない方が良いと思うんです。

だから、下痢や嘔吐、腹痛などの自覚症状がなければ何も問題がない、とは思わない方が良いのではないか、という問題提起をしたいんです。私の推論なのでそれをどうとらえるかは、もちろんあなたの自由です。私は可能性をふまえてある程度気を付けるつもりです。

慢性炎症が少ない事が、健康的に長生きするために欠かせない事だとガッテンなどのテレビでやっていて、最近わかってきた新しい研究結果らしいですよ。

菌が入ればその分白血球が戦って体が疲労したり、炎症物質がより多く出る可能性が考えられますよね。

ちなみにこの体の炎症度合い、一般的な血液検査のCRPという項目でわかります。この数値が高いほど炎症度が強いという事になり、低い方が体に良いらしいです。

話しがずれましたが、ポテトサラダは注意が必要なメニューだということをおぼえておきましょう。

 

ポテトサラダから学べること

ここで1つ、学ぶべきことがあります。ポテトサラダは悪くなりやすい食べ物なんだ、という話で終わるのではなく、同じような特徴を持つものは悪くなりやすいと判断できます。

作る工程が多く、時間がかかり、細かく切ったり、練りこんだり、たくさんの刻んだ生の食材を混ぜ込む。そんな料理は悪くなりやすい物だと。

先ほどちょっと話に出したハンバーグ、あれも同じような作業工程があるので、菌に注意が必要です。ポテトサラダとはちょっと違って、焼いて食べる料理だから、火を中まで通せば大丈夫と言って良いのかもしれませんが。
実はこれも気になる所があって、菌などは死滅すればOKではないんですよ。菌にもよりますが、死んだ菌が体内で白血球などにより分解される時に毒素が出てそれが体に悪影響を及ぼすこともあります。代表的なのがO-157です。O-157が分解される時に出るベロ毒素。せっかくO-157自体を薬で退治できても安心できず、ベロ毒素が体に物凄い悪影響を及ぼし、このせいで死に至ったケースもあるそうです。テレビでやっていました。

で、あとはマカロニサラダなんかも似てますね。じゃがいもとマカロニで違いますが、ある程度細かいマカロニに火を通した後に色々混ぜ合わせる。

まとめると、生の物を細かく刻んで混ぜ合わせる。出来上がりまでに時間がかかり、練り合わせるような食品は悪くなりやすいと覚えておいたが良いですね。

一旦火を通す料理であっても、そのあとで生の食材を混ぜる食品は注意が必要です。

以上、今回は食中毒菌が繁殖しやすい意外な物として、麦茶とポテトサラダをご紹介しました。まだまだたくさんあり、おにぎりや煮物、ヘタを付けたままのプチトマトなども菌が繁殖しやすいので注意してください。これから夏場を迎えます。おうちでもそうですが、お弁当など冷蔵庫のない状態で長時間置かれる物は特に。

お弁当であなたや家族を食中毒にあわせないために大切なことを書いた記事もあります。出来れば合わせてお読みください。