アパートの部屋に損傷が起きた時の対処法

2018-09-03

アパート暮らしだとありがちな損傷。こんな時どうしよう

アゴにこぶしを当て、思案するスーツ姿の男性のアゴから腹部までの画像

アパートやマンションなど、賃貸に暮らしていると必ずつきまとう心配。部屋の中に損傷や劣化が起きてしまった場合にその責任が自分に降りかかってくるのかどうか。もっといえば、お金を払わないといけなくなるのかどうか。

壁や床、お風呂の傷に戸棚の損傷など、心配になる部分は多いですよね。

そういう事は、通常はこうなるというのがだいたい決まっています。物件ごとに特例があることもありますが、ほとんどの場合は同じようになります。一般的にはこうなる、というのを知っておきましょう。

 

よくあるケース

まずはよくあるケースから一つ一つ見ていきましょう。

 

画びょうの穴を開けてしまった

壁に画びょうで留められた水色の付箋

結論から言うと、基本的に画びょうは大丈夫です。

びょうを刺すことは、「通常の使用による損耗」などという表現がありますが、これに当てはまると判断されるのが通常です。

ですが、1つ注意点があります。それは壁の下地の貼り換えが必要ないことです。これが条件になります。壁紙の奥にあるものです。

気を付けるべきは釘。釘は刺してはいけません。あくまで大丈夫なのは普通の画びょうだけ。不動産会社の人間の口から、画びょうはOKですが釘(クギ)はNGだという言葉を聞いた事もあります。

釘を打った場合は、故意や過失による破損とみなされてしまいます。とにかく釘を打つのは絶対やめておいた方が良いです。

当然、ネジくぎ式のフックなども取り付けてはいけません。「クギじゃなくてフックだし、生活に必要なのでは」などという論理は通用しません。結局クギが刺さることになるのでNGです。

 

カーペットをへこませてしまった

カーペットの上に置かれた木のイス

床に最初からカーペットが付いてる物件ってありますよね。その場合はカーペットも物件の一部という事になります。

このカーペットの傷みはどうなるのかです。

カーペットに置いている重さのある机や棚、家電などで出来たへこみは、通常の使用の範囲と考えられるのが普通です。「通常の使用による損耗」に当てはまります。

通常の使用による損耗」とは、言葉から想像は付くと思いますが、常識的に住んで使う事で起きてしまう劣化や損傷は仕方がないというものです。通常の使用による損耗ならば、お金を払うことはありません。敷金からも引かれません。

例をあげると、電化製品や重たい家具を置いたことによるへこみとか、電化製品による電気焼けという物などはこれに当てはまるとされています。ただし、全てがそう判断されるわけではないので要注意。

基本的には出来る限り起きないように配慮しておきましょう。

 

家電製品による電気焼け

テレビや冷蔵庫、電子レンジなど、熱を発する家電製品と壁が近いと、長期間による使用による電気焼けというものが起きることがあります。これは「通常の使用による損耗」とみなされる事が多いです。

でも、使用者が気を付ける事は必要と認識されています。善管注意義務違反というのがあります。壁に近かった、壁にくっつけていた、などの場合だと、実際にこの善管注意義務違反と判断される可能性もでてくるので要注意です。

とにかく、家電製品は壁と距離を開けたり、出来る限りの注意は払っておきましょう。

 

原状回復のために自分での補修はあり?

バルサ板の上に置かれたハケ、ペンチ、金槌のアップ

現状回復義務という物がありますが、過失による破損の修繕義務もあるとされています。修繕する義務がある、と言っているのですから、修繕してくださいという事。つまり、自分で行った修繕も認めると解釈することが出来ます。

穴や傷、はがれなど色んなものがありますが、傷めてしまった場合には、市販の補修部材や補修剤を使って目立ないように補修しましょう。

ただ、補修がうまく行かずむしろ悪化させてしまったり、補修した跡が目立つ場合は原状回復と認められない可能性があります。

補修作業をしさえすれば何でも良いというわけではなりませんね。あくまで補修の結果目立たなくなり、原状回復と認められるかがポイントです。

 

借主の責任となる可能性が高いケース

ここからは、借主の加湿など責任となる可能性が高いケースをご紹介していきます。

 

タバコのヤニで壁紙が黄色く変色

白い壁の明るい部屋

一応言われているのは、掃除などで落とせるレベルなら大丈夫と認識されています。アパートを退去したり新たな入居者が入る時にハウスクリーニングがありますが、それで落ちればOKという事になっています。

ですが、実際はタバコを常習的に吸っている部屋では、壁紙に結構な変色が見られます。タバコのヤニは染み込んでいて掃除しても落ちにくいです。プラスティック製品などについた物だと落ちることもありますが、落ちないこともあります。壁紙のような染み込みやすい素材ならなおさらのこと。

この場合、たいていは壁紙は交換となり、その分の金額を請求されることになります。敷金から差し引かれ、足りなければ追加でお金を支払う事になります。

退去時に不動産屋が立会い確認に来ますが、もうその時に言われます。この状態だと壁紙貼り換えとなるので、その代金は請求させてもらうことになると。この場合は嗜好品のタバコを自分の意志で吸った結果なので、避けられないでしょう。

 

床にタバコの灰でコゲ跡が出来てしまった

タバコを吸っていてうっかり灰を落として床を焦がしてしまった場合。これは借主の過失によるものなので、負担することになります。コゲあとが小さいの1つの場合、床材によって交換する部分の単位は以下です。

  • 畳:1畳
  • フローリング:最低㎡単位
  • カーペット:全面

畳みはフローリングは焦がした部位を含む最低単位を交換すれば済むこと。カーペットは一枚ものなので、全面交換になる可能性が高いです。

逆に言えば、畳みやフローリングは部分的に交換できるものなので、1つのコゲ跡で全面貼り換え分の代金を請求されたら変です。コゲあとをきっかけに全面の貼り換え代金を請求しようとしている可能性が。対処する必要があります。

少額訴訟という方法があります。安い金額で起こせて弁護士も不要。1回の裁判で即時判決が出る便利な方法です。詳しくは以下の記事にまとめています。

 

雨水で床のカーペットやフローリングが傷んだ

ニスで艶出しされたフローリングのアップ

窓を開けっぱなしにしていて雨が降って、部屋の中が濡れて、カーペットが変色してしまった。または、フローリングが濡れた事で劣化して明らかに見た目が変わった、などの場合は、過失と見なされます。

雨が降ってきたら窓をすぐ閉める、もし床や壁が濡れたならすぐ拭くなど対処して不要な劣化が起きないようにする必要があります。こういう努力は、善管注意義務と呼ばれ、賃貸物件がなるべく損傷ないように細心の注意を払うことは借主の義務とされています。

出掛けていて窓を閉められなかった、などであっても借主の過失です。出掛ける際に窓を閉めておくか開けっ放しにするか借主の選択。そもそも出掛ける時には閉めておくべきです。防犯の意味もありますし。それを開けっ放しで出かけてしまった住人の過失とされても仕方がない事でしょう。

窓の開閉については気を付けておきましょうね。

 

ちょっと変わったケース

ちょっと意外な、こういうこともあるんだなというケースを少しご紹介します。

 

掃除を全然してなくて汚れがひどい

フローリングに置かれた掃除道具の数々

住んでいる間ず~っとほとんど掃除をせず、汚れの度合いがひどくて、通常のハウスクリーニングで落とせない場合、追加のクリーニング代を請求される可能性があります。

逆に、こまめに掃除をしてキレイに保っていたのに請求されたら、クリーニングの内訳明細を要求して詳細な説明を求めましょう。

通常ハウスクリーニング代は、次の入居者を得るための貸主負担であるべき物という認識が通例となってきています。契約時の特例で、ハウスクリーニング代は借主負担となっていても、必ずしもその通りするしかないわけではありません。

普段からこまめに清掃しキレイに保っており、自然損耗の範囲内におさまっている場合には、言われるがままに支払いを行わず対処を検討してみると良いでしょう。

 

自分で設置したエアコンはどうなる?

部屋の白い壁に取り付けられたエアコン

貸主に確認して同意を得てエアコンを取り付けたのなら、買い取りの請求をする事が出来ます。造作買取請求権という物があります。

ただし、契約時の特約が問題となります。「取り付けることはOKだけど、買い取りはしない」という意味の特約があったなら、無効になります。

買い取りしてもらえない場合は、そのエアコンは取り外さないとなりません。この場合も現状回復です。

現状回復と言っても、エアコンを取り付ける前と全く同じ状態にする、などという事ではありません。そんなのは無理です。エアコンを取り付けるために壁にクギで留めたりする作業がかならずありますから。

実際は補修をすればOKです。業者に頼むと数千円で補修を行えます。お住まいの賃貸アパート・マンションでエアコンを取り付ける際は、不動産屋に必ず確認しましょう。確認してOKをもらった上でのエアコン取付けは問題ありません。

その際に一緒に確認すべき事がありまして、退去する時にそのエアコンをどうすれば良いかです。

取り外して持って行くのも良いのですが、取り外しを業者に依頼するのにお金がかかりますし、引越しの荷物も増えます。結果、お金がかかります。

高いエアコンでなければ、持ち出さない方がお得な場合もあります。買い取りしてもらうのが一番良い場合もあるでしょう。なので、買い取りしてくれるのかを、エアコン取付けて良いかの確認と合わせてしておくのです。

そこで不動産屋の言質を取っておけば安心です。出来るかぎりその通話は録音しておきましょう。パソコンなどのバックアップしておくことをおすすめします。

 

まとめ

思っていたよりも借主負担とならないケースがあるんだなと思わましたでしょうか。

最近の傾向として、ひと昔前よりもだんだんと貸主(大家)負担の割合が多くなってきています

ただし、こういう例は借主が負担する、などという具体的なケースが契約時に細かく書いた紙を渡されていると思うので、それに沿った行動を取りましょう。

1つ例を挙げると、キャスター付きの家具や棚などがありますね。あのキャスターを動かす事で付いたキズなどは借主の責任となります。ご注意を。

賃貸アパート・マンションに入居したら、ご面倒でも最初に渡される用紙に一度目を通しておきましょう。

とにかく、賃貸物件であってもあなたのおうちですし、ご自分を不利にしない、守るためにも細心の注意を払って生活しましょう。

細心の注意と言っても、おっかなびっくり気を付け過ぎな生活をするのではなく、ちょっとした工夫だけで傷めないように出来る方法がたくさんあります。

防御策だけはじめに1回キチっと効率よくやっておくことで、あとは特別気を遣うことなく普段通りの生活出来て、部屋を傷める心配もなくなります。

別記事にまとめてあるので、ご覧頂ければと思います。