地震対策の知識はあっても行動に移せないたった1つの理由

 

いきなりですが、あなたの地震対策行ってますか?

日本人の多くは、地震の悲惨さとその後の避難生活の大変さを知りながらも、実際の対策はおこないっていないのだそうです。不思議ですよね。

数日分の食事に簡易トイレに懐中電灯、最近自衛隊の動画やテレビで話題になったラップとか、避難用品をリュックに詰めて、玄関収納などのすぐ持ち出せるところにおいてある、という方は素晴らしい!もう続きを読んで頂く必要はありません(笑)。

というのは冗談で、それでは対策はまだ十分とは言えないのです。それをこれからお話します。

 

近年、幾度も大災害が起きて悲惨な状況を目の当たりにしたり、中には実際に被害にあったにも関わらず、その後の数年間、対策しないまま生活している方が多いのが現実。

その理由はずばり、「自分のことは楽観視してしまう」からなのだそう。ということで今回は、

  • なぜ楽観視してしまうのか
  • 何をすれば命が助かるのか
  • どうすれば楽観視せず行動できるのか

に迫ってみたいと思います。

 

世間一般の危機管理意識

まず、いかに人が実際の行動に移せないかという事実を確認して頂きます。

2011年3月11の14:46。

三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生。

大津波が太平洋沿岸を襲いました。死者と行方不明者は19000人、福島原発が被災し大量の放射線物質が放出され、78000人に避難指示が出されるという、戦後最悪の自然災害となりました。

その災害の翌年の2012、NHKの世論調査で、東日本大震災を機に行った地震対策のトップ10は以下のようになっています。

1 懐中電灯の準備
2 何もしていない
3 避難場所の確認
4 携帯ラジオの準備
5 非常用持ち出し袋の準備
6 家具や家電などの転倒防止措置
7 徒歩で帰宅する経路の確認
8 地震保険への加入
9 自宅の耐震補強(修復は含まず)
10 自家発電機の準備

(NHKの世論調査2012をもとに節約一人暮らし生活で作成)

なんと「何もしていない」というのが2位になっています。

 

いかがでしょうか。

まさにことわざの通り、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」です。

人間というものは、怖い思いをしたり映像で見て恐ろしさを知りながらも、中々行動に移そうとはしない生き物なんだということがわかりました。

 

知識があっても行動しないのは何故?

あれだけ衝撃的な震災が現実に起きながらも、実際に対策を施した人のなんと少ないことか。これには、ある心理的要素が関係しています。

それは、楽観バイアスというもの。

自分が危険な目にあう事はそうそうないだろうと楽観的に考えてしまう人間の傾向だそう。これを私たちは持っているという事。

私たち人間は、自分が死ぬ姿だけは想像しないように出来ているのだそうです。そうじゃないと、不安や恐怖に襲われっぱなしで生活に必要な行動が取れなくなるのだとか。人間に必要な習性らしいです。

 

でもこれって、危険度の高さと、取られる対策が見合ってないということ。「危険>対策」です。対策が全然足りていないわけです。可能な限り「危険≦対策」にすべきです。

私も言われて耳が痛いです。我が家も踏み込んだ対策は何一つ出来ていません。物が少ないことと、背が高い家具がないこと位。

幾度も行った引越しの際に、物を運ぶのが大変だから段々と捨てて行き今に至った、いわば偶然の結果があるのみです。

 

ともかく今お伝えしたいのは、楽観バイアスという、物事を楽観的に考えてしまう習性が人間にはあるという事です。

今これを読んでくれたあなたは知りました。一歩大きく前進です。

 

そしてもう一つ知って欲しい事実があります。

近年で一番最初に起きた大きな地震、阪神・淡路大震災で死亡が確認された方の死因の第1位はなんだと思いますか?

それは、家屋・家具の下敷きです。これは阪神淡路大震災の時の死因の約8割を占めます。ということは、家屋・家具の対策を行えは助かる命が多くあると言えるのではないか、と考えるのが自然です。

 

もう一度、上の表を観てください。

  • 6位:家具や家電などの転倒防止措置
  • 9位:自宅の耐震補強(修復は含まず)

この2つ以外は、地震後に生きていた場合に有効な対策です。

もし、死んでしまったら、

  • 懐中電灯があろうが
  • 家族の集合場所が決まっていようが
  • 何日分の食が用意されていようが

意味がありません。

まずは、あなたやご家族の命を守ることが何よりも重要です。

そのためには、上に挙げた2つをまず何よりも優先して行うべきな筈ですよね。本当はこの2つが1位と2位であるべきです。

ただ、家の耐震補強については大金がかかるので簡単には行えません。しかし、家具や家電の転倒防止策は安く簡単に行えます。100均でも対策グッズが幾つか売られている程です。

にもかかわらずやっていない人が多いのが今の日本の現状。でも私たちはやっていきましょう。

ということで、次は実際の対策を行うために必要なことのお話です。

 

地震対策を実施するためには

地震対策には以下の2つが必要不可欠です。

  1. 地震対策の知識
  2. 対策を行動に移すための工夫

知識がなければ何をすれば良いかわからない。そして知識だけあっても行動に移せないから、行動に移すための工夫が必要というわけです。

 

知識を与えるだけで反応するような人は、もうとっくに対策をやっているはず。大半の人は、知識だけでは行動できない。

これは、ためしてガッテン(2012/12/19)で、群馬大学大学院の災害社会工学研究室の片田敏孝教授が仰った言葉です。

この方は、東日本大震災の時に「釜石の奇跡」と呼ばれた、中学生が小学生を連れて避難するなどにより、子どものほとんどとも言える99%が助かったという奇跡的状況を生み出す考え方を導き出した凄い先生です。

それには学校の先生が子供たちに指導してくれた功績が大きいと片田教授は仰います。

大人は経験からとかく楽観視をしがちである。自分が死ぬということは考えたくないので、大人には楽観バイアスが働きやすい。子供は純真で、楽観バイアスは働きづらい。

大事な人を守りたいという思いの中でやる防災が上手く行く

これも片田教授の言葉。

つまり、

  • まずは楽観バイアスの低い子供に災害の怖さ、防災の知識を持ってもらう
  • その子供から家族に防災対策を促してもらう

ということにより、より深刻な意識を持ちやすい子供から家族に防災対策を呼び掛けてもらい、その子供を守りたいという気持ちから、親は防災対策を行動に移しやすくなるということです。

防災を知識だけで終わらせず、実際に処置を行う行動に移してくれる可能性が上がることが期待できそうです。

防災は子供発信で。家族を守りたいという気持ちが防災の行動に移らせてくれる

 

まとめ

今回は地震の対策についての意識に焦点を当てたお話でした。

  • 地震の恐さを知りながらなぜ行動に移せないか
  • どうしたら行動に移せるようになるか

がおわかり頂けたと思います。

楽観バイアスという、自分の身の上のことは楽観的に捉えてしまう傾向があるからでしたね。

その傾向は子どもより大人の方が強いのでした。そして、大人は自分を守るためには億劫がるけど、子供を守るためなら行動しやすい。だから子供発信で防災意識が広まれば、対策を行うご家庭が増えるであろうということでした。

 

対策としてとくに優先すべきは、地震によって命を失うことから守ってくれる以下の2つです。

  • 家具や家電などの転倒防止措置
  • 自宅の耐震補強(修復は含まず)

特にすぐ出来る家具・家電の転倒防止対策をまずしっかり行うことが、より命を守ることにつながるんだという事でした。

あとは実際の家具や家電の転倒防止対策ですね。具体的な方法と使うべき器具を以下の記事に詳しくまとめました。