家電の延長保証は無駄!?本当に入るべきなのか考えてみる

2018-07-16

家電製品を買う時に延長保証は無駄なのか。入った方が得なのか

木製のテーブルの上にバインダーに留められた見積書、その左に電卓が重なり、右にペンが置かれている

あなたは冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの高額な家電製品を買う時に、延長保証は入りますか?延長保証はとても助かる入るべきサービスだと思っており、私はほとんどの場合入ってます。

私は今回実家の引っ越しを手伝い、全ての物がすでに古かったり壊れかけているのを何とか使っていたりで、中には最悪の場合事故につながるのでは思えるちょっと危ない物まであって、幸か不幸かいくつもの家電を買い替えなければならなかったんです。私のお金じゃないですけどね。

その時に、ほぼ全ての家電で延長保証に入りました。数千円で買ったドライヤーなどは無理に入らなかったですが、高い製品は万が一故障したら怖いので、多分全部入ったと思います。

今回は、私は絶対入った方が良いと思っていた延長保証が、入るべきでないという意見を今はテレビ見ない日はないというほど有名なあの人が言っているのを拝見して衝撃を受けたので、それについて考えてみようと思います。あの人が誰なのかは後ほど。勘の良いあなたならもう予想はついてるかもしれませんが。

 

延長保証とは

まずは延長保証が何なのかをご説明します。

冷蔵庫や洗濯機を買った時、メーカーの保証が必ずついてます。でもそれはほとんどの家電が1年間のみ。1年以上経ってから壊れた場合は、有料での修理となります。今ある世の中の家電製品のほぼ全てが1年ですね。私が知る限り、ダイニチやコロナのファンヒーターは3年だったと思います。あとは1年より長い製品は見た記憶がないですね。

このメーカー保証、何万円も出して買った冷蔵庫が、1年ちょっとで壊れて何万円も払って修理って、ちょっと納得行かないですよね。「おたくの冷蔵庫は1年ちょっとで壊れるんですか?それを消費者がお金払って修理を頼まないとならないのですか?」って言いたくなりますよね。

そこで、家電量販店が独自の保証サービスを行っているのが、販売店の延長保証です。最近はメーカーでも同じような延長保証をやっています。

たいていは製品の金額の5%くらい。10万円の商品で5000円です。その5000円を払っておけば、購入から1年経過した後も、だいたい5年まではある程度以上保証しますよ、という物です。この保証の範囲や金額のパーセントはその延長保証により異なります。全額保証だったり、数10%の保証だったり、幾らまでは無料とか、1回までとか、無制限とか、様々です。

なので延長保証に入る時は内容はしっかり確認した方が良いですよ。不明な点や気になる点は店員さんに遠慮なく聞きましょう。でないと安心していたのに、いざ壊れた時に保証を使おうとしたら、このケースは保証対象外ですとか、何割かはお客様負担です、なんて事になりかねませんので。

 

延長保証は必要ない?

2018/6/17の林先生の初耳学で林先生が解説していた内容から。そうです、冒頭で言った有名なあの人とは林先生のことです。個人的には好きです。

それは、延長保証には合理性がないから入る必要はないという話。まずはその時の理論を例とって具体的にご説明します。

 

確率論と期待値の計算で導き出す

期待値という考え方を使ってこれらを導き出すのだそうです。

10万円のテレビを買う時の例

壁掛けされた大型の薄型のテレビ

元々のメーカー保証は1年間。そこで、お店がプラス4年で合計5年間保証される延長保証が5000円で入れると言ってきました。その時あなたはこの延長保証に入りますか?

私はいつも高い家電には3000円くらいなら延長保証に入ってます。高い製品なら5000円くらいでも入るかもしれません。だって壊れて修理費実費はイヤですもの(汗)

メーカー保証はどのメーカーのどの家電もだいたい1年です。たった1年なんてそうそう壊れるもんじゃないでしょうから、ないも同然と言うか全然足りないって思うんですよね。

で、林先生のお話は、この延長保証には入るべきではないという回答。いったいどういう理由なのか?!

林先生いわく、テレビが壊れる事はまずそうそうある事じゃないと。周りの出演者の方々に聞いても、新しい製品に買い替えたくなるまでに壊れて観れなくなったことなんて一度もないとのことでした。ということは、仮に100台買って1台くらいが買ってから数年の間に壊れてしまうとして。

100000円 × 1/100 = 1000円

つまり、10万円の商品を買う時、延長保証が1000円までなら入る価値はあるが、それ以上高いなら入るべきじゃない。この考え方を期待値といいますよ、とのこと。

言葉だけだとわかりづらいので表にしてみます。

価格 壊れる確率 期待値
テレビ 100000 1% 1000
延長保証 5000円 5000

期待値で計算すると、延長保証が明らかに高いという事になります。

期待値というのは中学だったかの数学で習った気がしますが、ある事柄が起きた時の値と、その事柄が起きる確率で出されるという物です。ちょっと難しいというかピンとこないですよね。

もう一つ、期待値の計算の例をみてみましょう。

 

雨の日に傘を持って行くかどうかの期待値を考える

仕事カバンに無造作に突っ込まれた青い折り畳み傘が飛び出している

番組ではもう1つの例として、降水確率が40%の時に傘を持っていくべきか、という話題も挙げていました。これは他の方がネットニュースに投稿していた記事について林先生が解説していたものです。

傘を持ち歩くのって荷物になってイヤですよね。傘を持って出かけたのに雨が降らなかったら、荷物になってイヤだったのに意味ないじゃんって思いますよね。でも持って行かなくて濡れたらそれもかなり嫌ですよね。

ここで、これら2つのことを感覚的に数値にしてみます。

  • 持って行ったのに使わなかったイヤさの度合いを10
  • 傘を持って出なかったのに雨に降られて濡れるイヤさを20

仮にこうしてみましょうと。雨に濡れる方が傘が荷物になったのに使わないよりイヤという人が多いだろうという事で、雨に濡れる方が高い数値になってました。

確かに雨に濡れる方がイヤですよね。でも、この数値は人によって変わると思います。私は土砂ぶりなら濡れるのは嫌ですが、小雨ならちょっとくらい濡れても傘を持たずに手ぶらの方が良いです。

ある人は傘持つのは別に平気だから5くらい。ある人は雨に濡れてもいいと思ってるし、傘を持つのが嫌いなので15くらい、など。感覚値なので人によって変わる所です。

今は傘を持つのが10、雨に濡れるのが20として考えます。で、降水確率が40%でしたね。ということは、雨に濡れる期待値の計算はこうなります。

20 × 0.4 = 8

8です。という事は、雨に濡れるイヤさは降水確率から期待値を出したところ、傘を持つイヤさの10を下回るわけですので、傘を持たずに家を出るべきだという考え方です。

これも表にしてみます。

降水確率 結果
傘を持つイヤさ 10 10
雨に濡れるイヤさ 20 40 20×0.40=8

傘は持って出たら持ったままなので最後まで10です。しかし、雨に濡れるのは雨が降った時だけ。なのでそこは降水確率で計算するという考え方。

このようにして、延長保証も傘を持って家を出るべきかどうかも、ちゃんと数値化して判断する事が出来るんだよ、という物でした。

 

延長保証に入るべきかは期待値だけではない

なるほどなるほど、確かにそうやると数値化出来て比べる事が出来るんですね~。

でも、どうなんでしょう。この考え方って本当に正しいんでしょうか。

まあ林先生が仰るには、記事を書いた方も言っていることだけど、人によって数値は変わるから、自分に合わせてイヤさの数値を変えてねとの事でした。確かにそうですよね。私は、この数値の変動はイヤさの感覚以外にも例えばこんなものがあると思います。

  • 折りたたみ傘を使う(荷物にならない)
  • 車通勤
  • 家も職場も駅近で通勤ルートのほとんどに屋根がある

などなど。これらの条件で行くと、最初に挙げた雨と傘の関係では、傘を持つイヤは10、雨に濡れるイヤさは20でしたが、私の感覚ではこのように変わります。

傘を持つイヤさ 雨に濡れるイヤさ
折りたたみ傘アリ 3 20
車通勤 1 20
通勤ルートのほとんどに屋根がある 10 5

こんなふうになり、そもそもの数値設定が変わります。誰しも生活環境なんて様々なわけで、みんなが同じような数値じゃないですよね。このように色んな値に変わるのが当然です。しかも感覚量なので数値も変わる。複雑な計算になります。

 

ただ私は、数値の違いだけじゃないと思うんですよ。

例えば、何があっても雨には当たりたくないって人もいると思います。髪が乱れるのが嫌な人とか、服は絶対に濡らしたくないとか。そういう人は10%でも降水確率があったら持って出るなんていう考え方もあるでしょう。

 

延長保証には保険としての価値もある

さらに疑問なのは延長保証の方。

延長保証の是非を判断するには、期待値だけでは足りないと思うんですよね。

実際、修理をする時って、3000~5000円じゃまず済まないですよね。最低でも15000円くらいでしょうし、数万円してしまうこともあるでしょう。だったら、3000円だけ払ってしまえば、せめて5年の間だけは無償修理(延長保証の種類によって異なる)が受けられるという事実があるんですよ。つまり掛け捨ての保険のような感覚で延長保証に入るも良いのではということです。

先ほどの期待値の考え方は、故障が起きる可能性から、3000円という金額を払う価値があるかという話で計算が行ったわけです。確かにめったに起きる確率はない。でも確率の問題であり、ほとんどの人は買って5年のうちに故障するなんてことはそうそう起こらないのは事実でしょう。でも現実にはごく少数故障してしまう人がいる訳で。

たまたま自分がそうなってしまったら、1年間のメーカー保証が切れていたら、数万円の修理代がかかってしまいます。家電製品の修理代って高いんですよ。数千円で済むことなんてまずありません。なんの家電製品かにもよりますが、だいたい数万円です。

だったら無駄になっても良いから、3000円くらいなら払っておこうか。そしたら5年間は安心できるんだもんね、という掛け捨ての保険ですよね。最悪の事態を3000円で避けられる。これに入るかどうか

 

その人の経済状況によって変わる

黒い机の上にノートを開き、電卓を見ながらペンで何かを書こうとしている女性。横にはお札が数枚置かれている

そしてもう一つ、考え方を分ける要素があります。その人の経済状況です。

林先生が出した確率論で片づけられるのは、ある程度お金に余裕がある人です。万が一が起きても確率論の期待値で払う価値があるかを考えて判断すれば良い。お金という物の金額が、より純粋にその数字通りの価値なんです。

逆に、私のように家電を買うなんて一大イベントで、それが早く壊れてしまってまた買い直すなんてまあ難しい人。世の中の平均的な庶民の方々はそうだと思うのですが、数万円の物が買って1年ちょっとで壊れた時に「まあいっか」で済まない人です。だからその最悪の事態を避けるために数千円という、まあ払える金額の、掛け捨てだけど保険に入るんです。

これが延長保証に入る人の心理の1つとしてあると思います。

林先生の期待値の話がピタリと当てはまるケースがあります。それは、一人で100台以上テレビを買う場合です。それならば、100台のうち1台が故障する確率があるなら、1000円以下なら延長保証に入った方がお得になります。

でも実際には、100台もテレビを買う事なんてあり得ません。私たち消費者は、壊れてしまう目に遭うことはめったにない。でも、100台販売されるうちの1台が自分に当たるのが怖いわけです。だからこそ、2年目などの早い段階で壊れた時に備えて、保険として3000円くらいのそこまで高くはない金額を払っておくわけですよね。

3000円をムダにするか、延長保証に入らずに、万が一壊れた時に数万円の修理代を損するか。壊れるかどうかは不確定要素なので、判断は簡単ではないですが、2つの選択肢で払う金額を考えたら延長保証の方が断然安いですからね。

ちょっとくどくなりましたが、この理論お分かりいただけましたでしょうか。期待値で計算するのはお金持ちの理論という事ですね。

 

結論

購入金額の5%以内の金額で入れるなら、5年延長保証は入った方が良いと思います。10万円の商品なら、5%で5000円です。

どちらに転ぶかわかりませんが、より大きなリスクに焦点をあて、万が一を避けるために払う金額です。大げさですが、人生で避けたいもしものリスクのために、保険を掛ける事ってありますよね。保険といっても必ずしも生命保険に限らず、手を打っておくという意味です。

そこには必ず何らかを払うわけです。お金だったり、労力だったり。医療保険とか自動車保険は、その金額が妥当かなんてわからないですよね。

お金に余裕があり、万が一壊れても買い直せば良いという余裕のある人は、入らない方が得かもしれません。と言っても5~10万円する家電製品に対して3000~5000円で済むなら、お金に余裕があるのなら入ってしまっても良い気がするんですけどねえ。